大川商工会議所青年部(福岡県・大川YEG)は7月28日、〝木工の街大川〟をアピールするため、滋賀県琵琶湖で開催された「鳥人間コンテスト」に出場した。同YEGが総力を結集して製作した「木のきもち号」は、そのきれいな流線形をした両翼や組子の尾翼など、機体の至るところに木工技術が生かされ、他の出場チームからも感嘆の声が漏れるほど注目を集めた。
大川市の木工の歴史は今から480年ほど前にさかのぼる。同市内を流れる筑後川は、その昔、水上交通の要衝地であり周辺には多くの船大工が住んでいた。その船大工の技術を生かして指物(さしもの=釘などを使わず木と木を組み合わせてつくった調度品や建具)をつくったことが始まりといわれる。
今回の取り組みは、今年1月に始まった。親会(大川商工会議所)や地元木工関係団体のほか、知事や市長などからも出場要請があったことから申し込みを行い、4月に出場が決定。その後平日の夜と土・日曜日を使い、約3カ月間で「木のきもち号」を製作した。同YEGは過去に2度出場した経験があり、当時の設計図が参考になったという。
当日は台風12号の影響でスタートが30分ほど繰り上がった。天候は曇り、湖上のやぐら上はゆるやかな追い風と飛行にはやや不利な状況の中、この日のために体重を72キログラムから57キログラムに減量したパイロットの近藤将隆さんは、応援に駆け付けた同市倉重良一市長や同所津村洋一郎会頭、YEGメンバー、家族などの大声援を受け、9時35分、飛び立った。
同YEGで鳥人間実行委員長を務めた津崎繕幸さんは「存分にアピールできた。応援していただいた全ての人に感謝したい」と述べた。また同YEG平成30年度会長の田中雅博さんは「メンバー59人の結束が高まった。この挑戦は大きな財産になる」とこの取り組みを評価した。当日の様子は8月29日、日本テレビ系列で19時より放映予定。また、「木のきもち号」は10月6~8日開催の大川木工まつりで展示される。
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