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セレクト地域短信 地域発 旅行商品を企画

観光地が地域の特色を生かした旅行商品を直接企画する着地型観光の手引書「地域発旅行商品開発に向けたハンドブック」に掲載された小浜と延岡の各商工会議所の事例を紹介する。(2面参照)

小浜 若手事業者が奮闘 ワンストップ組織構築

新たな特産品の「若狭おばま鯖おでん」

旅行会社の要望を調整

小浜商工会議所(福井県)は、小浜市の将来に危機感を持った若手事業者を集めて、地域おこしグループ「KISUMO小浜」を立ち上げ、食・健康・癒しをテーマに、特産品開発や交流人口拡大を目指した観光振興事業、人材育成事業などを推進している。

「KISUMO小浜」は最初の取り組みとして、特産品「若狭おばま鯖おでん」を開発。鯖おでんを入口に、小浜市全体のブランド構築を目指したシティセールスを行った。

特に、特産品開発のプロセスをメディアに露出させることで、地域内外からの注目を集め、開発メンバーや地元飲食店などのやる気の醸成につなげていったことも、地元全体に一体感を生んだきっかけとなった。鯖おでんは、地域の宿泊施設や飲食店などのメニューに採用され、地域の新グルメとして継続的な供給・販売体制を実現させた。

観光事業では、Iターン・Uターン者がメンバーに加わり、外からの目線、意見を事業に取り入れることで、新たな観光素材や観光ルートの開発につなげている。中でも、日本一の塗箸産地という小浜の特性を生かしたオリジナル箸作り(箸研ぎ)をはじめとする多くの体験メニューは目玉となっている。

また、小浜のことを知ってもらうことを目的に、発地側への継続的な情報発信を展開。旅行会社への商品提案では、旅行会社側からの要望に応じて、近郊エリア、遠隔地エリアごとに柔軟にカスタマイズするとともに、地域の事業者にフィードバックするなど、ワンストップ窓口となり、調整役としての役割も担っている。

継続的取り組みが結実

継続的な観光事業を実現させるためには、いかに地域が団結できるかが大きな課題となっており、商工会議所を中心に、企業、大学、行政などが一体となって連携し、取り組んできた。こうした状況の中、若手事業者による地域おこしを目的に結成された「KISUMO小浜」だが、結成当初は、商工会議所と行政が全面的に組織運営をサポート。グループを持続的に活性化させるため、若手事業者が個々に考え、自ら行動できるように役割分担を行い、自主性を重視しながら事業展開を進めた。

意見が一致しないときは、専門家やアドバイザーの声を取り入れ、共通の目標を設定し、同じベクトルを示すことでモチベーションの向上を図った。こうした継続的な取り組みの結果、団結力が増し、地域おこしの担い手としてメンバーの成長にもつながった。

延岡 手作りの交流を提供 市民参加のプログラム

手づくり布ぞうり体験

事前研修で人材育成

延岡商工会議所(宮崎県)は、地域経済の活性化と産業の振興を応援するため、平成22年から体験交流イベント「えんぱく」を開催している。「えんぱく」は、同所が事務局を務め、行政・観光協会などの関係団体で構成される「えんぱく実行委員会」を中心に運営。専門家や大学などの指導・助言を踏まえながら方針を定め、ワーキンググループで柔軟なアイデアや支援について協議している。

「えんぱく」では、参画事業者や市民が「誘い人」となり、農水産物の収穫、まち歩き、自然を満喫する体験など、まち全体を会場に、この土地ならではの体験交流プログラムを提供している。準備段階では、各種プログラムの開発や磨き上げ、おもてなし人材の育成を目指し、誘い人などを対象にした研修会「えんぱく寺子屋」を実施。観光資源に関するヒアリングやワークショップなどを通して、手づくりの交流・体験をつくり出している。

このように、「えんぱく」は地域住民に対し、今まで知らなかった地域の魅力を再発見する場を提供するとともに、着地型観光のメインターゲット層となる日帰り圏(県内および近隣市町村・隣接県など)からの集客を目指している。

通年実施も視野に

誘い人単体では難しいプログラムの「企画・宣伝・実施」は、えんぱく実行委員会がマネジメントを実施。「えんぱく」のガイドブックを作成し、延岡市内外、九州管内の道の駅などでPRし、「えんぱく」の認知度アップを図るとともに、将来的に交流人口の増加が見込まれる県外エリアの関係機関などを活用して、延岡ならではの魅力的な素材を地道に発信し続けている。

「えんぱく」は現在、年1回4週間程度の期間で実施。短期間に集中開催することで効果的な集客を図っているが、参加者からは通年実施を望む声が多く寄せられている。将来的には四季に合わせた、その時期ならではの「えんぱく」を実施し、県内外から幅広く集客できるような受け皿組織の構築を視野に入れている。また、延岡を発信するブランド力を観光面から強化することで、最終的には地域住民が地元に誇りを持てるようにするとともに、交流人口の増加による新たな産業や雇用の受け皿を増やしていくことを目指している。

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