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コラム石垣 2017年11月11日号 中村恒夫

東京五輪パラリンピック開催まで3年を切った。開催決定後、障がい者スポーツだけでなく、障がい者全体への理解を深めようとする社会的な活動が広まる一方で、専用施設での虐待報道も絶えることがない。「差別意識の撤廃、自立支援の必要性」が叫ばれながらも、障がい者を雇用して収益性のあるビジネスを確立する動きは決して早いとは言えないのが現実だろう。

▼全国商工会議所女性会連合会の女性起業家大賞でスタートアップ部門の奨励賞を受賞した一般社団法人アプローズの光枝茉莉子代表理事は、収益性と働く者のやりがいの共存を目指している。多くの福祉作業所では比較的単純な作業が多いが、アプローズは複雑な工夫やセンスを必要とするフラワーアレンジメントの製作・販売を行っている。障がい者だけではブランド力を維持するのは難しいため、専門のスタッフを配置し、指導を通じて製品の品質を保っている。障がい者側の自覚も重要なポイントだ。作業所は単なる「居場所」ではなく「働く場所であり、働いたら工賃が発生することを理解してもらう」のが大切だというのだ。この方針に基づき作業に対応できる人に対象を絞った結果、作品への評価も高い。議員会館、首相公邸にも納入実績を残し、工賃も着実に上昇しているという。

▼法定雇用率を達成する義務のない小規模企業でも前向きな気持ちを抱いている経営者はいるだろう。「最初の1人が難しい」と指摘する光枝代表理事は、就労支援移行機関の利用や、助成金も受けられるトライアル雇用制度の活用を提案する。整然とした職場、指示が明確なことは障がい者雇用に必要な条件だが、企業にとっても環境整備につながるのではないか。

(時事通信社取締役・中村恒夫)

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