経済産業省はこのほど、「中小企業の雇用状況に関する調査」の集計結果を取りまとめた。平成29年度における正社員の1人当たり平均賃金の引き上げについて、「引き上げる/引き上げた」とする企業の割合は、66・1%となった。今年6月に中小企業・小規模事業者3万社に調査票を送り、8月8日までに提出のあった8310社の状況について集計した。
正社員の賃金について、「引き上げる/引き上げた」と回答した企業の理由で最も多かったのは「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」49・2%。次いで、「業績の回復・向上」(34・3%)、「他社の賃金動向」(20・6%)となった。賃金の引き上げ方法として月例給与の引き上げを実施した企業の割合は92・0%で、賞与・一時金の増額を行った企業の割合は24・9%となった。
一方、「引き上げない/引き上げていない」と回答した企業の理由としては、「業績回復・向上が不十分」が72・6%で最多。賃上げを実施していない企業では、業績が低迷していることが賃上げを妨げている状況がうかがえる。
非正規雇用の労働者については、「賃金引上げを実施した/実施する予定」と回答した企業の割合は、36・5%となった。賃金を「引き上げる/引き上げた」と回答した企業の理由は正社員と同様に、「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」が47・0%でトップ。「最低賃金引き上げのため」が38・3%で後に続いた。
「人手不足・人材不足」と回答した企業の割合は66・4%と半数を超えた。「人手不足・人材不足」と回答した企業のうち、不足している人材については、74・5%が「正社員の非管理職」、29・1%が「管理職」と回答した。「人手不足・人材不足」と回答した企業のうち、正社員・非正社員の直近1年の採用活動の結果、「採用できている」と回答した企業は、正社員が50・2%で半数近くが思うように採用できず、非正社員が33・3%となった。
詳細は、http://www.meti.go.jp/press/2017/10/20171023002/20171023002.htmlを参照。
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