広島商工会議所は2月27、28日の2日間、業務部門の省エネ推進などの参考とするため、「環境先進企業視察会」を実施した。視察会には同所会員企業から経営者など17人が参加、オフィス環境の先進的取り組みを行っている東京都千代田区のシービーアールイー、神奈川県横浜市の大成建設の2社を訪れた。
初日は東京・丸の内に本社を置き、事業用不動産サービス業を営むシービーアールイーを視察。同社は、平成26年4月に国内4拠点1390坪を丸の内の「明治安田生命ビル」の1145坪に統合し、オフィス面積の18%削減を実現した。またキャビネット本数を84%、紙の書類量92%の削減も行った。同社担当者から「個々の仕事の効率性が高まり、異なる部署の社員間のコラボレーション創出にも役立っている」とその効果について話があった。
2日目は神奈川県横浜市の大成建設ZEB実証棟を視察。ZEBとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略称で、室内外の環境品質を低下させることなく大幅な省エネを目指すビルのこと。同実証棟では、建物のエネルギー消費量の75%を削減する「超省エネ技術」を導入し、残りの25%を太陽光発電などによる「創エネ技術」で賄っている。26年6月からの1年間、国内都市部における建物単体としては初となる年間エネルギー収支0(ゼロ)を達成した。
本視察会参加者からは「新しいワークスタイルを浸透させるため、ルールや方法を決めて終わりではなく、導入後も非常にきめ細やかな対応が行われていることに驚いた」「ZEBの実現はまだ先の話だと思っていたが、想像以上のスピードで実現に向けた取り組みが進められていることが分かった」といった感想が寄せられ、働き方改革・健康経営・省エネなどにつながる次世代オフィスに関心の高まりを感じる視察会となった。
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