◆日EU・EPAの大枠合意について
日EU・EPAの大枠合意を心から歓迎する。安倍首相、トゥスク欧州理事会議長及びユンカー欧州委員長の決断と、交渉にあたった政府関係者のこれまでの尽力に敬意を表したい。
EUは28カ国5億人の人口を抱える巨大市場であり、わが国輸出入総額の約10%を占める主要な貿易・投資対象地域である。また、既に約2500社の日本企業が進出し、約49万人の雇用を創出している。
世界のGDPの約3割を占める日本とEUのEPAが締結されることは、日欧間のビジネスの更なる拡大に資するだけでなく、自由貿易の価値を国際社会に示すものとなろう。さらに、グローバルな貿易・投資のルールづくりを主導する重要な枠組みとして、RCEPや日中韓FTAといった他の経済連携交渉の推進に資するとともに、まずは11カ国でのTPP早期発効の後押しとなることを期待する。
政府は、残された課題の早期収斂に向けて引き続き注力するとともに、協定署名後は、速やかに国内の批准手続きを進めてほしい。併せて、EPAを活用した中堅・中小企業の欧州進出や日本産品・商品の輸出拡大への支援、さらには、欧州からの輸入拡大により影響を受ける国内産業分野の競争力強化に向けた構造改革を強力に推し進めてほしい。
日本商工会議所としても、各地商工会議所による農商工連携を通じた商品開発や生産性向上、輸出促進などの取り組みを支援し、引き続き中小企業の海外展開を推進していく所存である。(7月6日)
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