フィリピン貿易産業相 日本の投資に期待
日本・東京商工会議所が事務局を務める日比経済委員会は2月23日、第34回日比経済合同委員会をフィリピン・マニラで開催し、両国の政府、経済界などから117人が出席した。今年で日比国交正常化60周年を迎えることから「日比60周年とこれから」をテーマに実施。両国間の協力の歴史を振り返るとともに、さらなる協力推進に向けた課題と期待について意見交換を行った。
国交正常化60周年
冒頭にあいさつした志賀俊之日比経済委員会筆頭代表世話人(日産自動車副会長)は、昨年末のASEAN経済共同体(AEC)の発足について触れ、「ASEAN域内のヒト、モノ、サービス、ビジネス活動の自由化が進んでいく」とASEAN経済の活性化に対する期待を表明。「フィリピンは、ASEANの先発加盟国であり、日本から地理的に近いことから、ASEANへのゲートウェイとして日本企業にとってますます重要になる」とフィリピンの優位性を強調した。
エイドリアン・クリストバル貿易産業大臣は、基礎教育・職業教育の充実、ビジネス環境改善に向けた競争法改正や銀行業への外資参入自由化、PPPによるインフラ整備、製造業発展に向けたロードマップ推進など、好調な経済成長を維持するためのフィリピン政府の取り組みを紹介。TPP参加についても、「準備を進め、オープンで競争的な市場を実現していきたい」と述べるとともに、引き続き日本からのフィリピンへの投資を要望した。
会議では、今後の両国間の経済協力について「インフラ整備」「人的交流」「ビジネス・ハブとしてのフィリピン」の3つのテーマで議論。日本側からは、「フィリピンが今後さらに国際競争力を高めていくには電力・水道・鉄道などのインフラ整備が不可欠。民間企業が果たすべき役割も大きい」「今後さらなる交流拡大に向けて、日本のカトリック関連史跡や温泉文化、フィリピンの優れた英語学習環境など、新たな視点でのプロモーションを推進すべき」「英語を話し、ホスピタリティーが高く、若くて優秀な人材を有するフィリピンは顧客サービスのグローバル・ハブとなり得る要素を備えている」などの意見が出された。
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