三村会頭 生産性向上支援を
政府は3月25日、「第6回一億総活躍国民会議」を開催し、長時間労働の是正、女性の就業促進などについて議論した。会議に出席した日本商工会議所の三村明夫会頭は、「長時間労働を是正することは、全ての人々が働きやすく、活躍しやすい職場環境の実現、および労働生産性向上につながることから、非常に重要な課題と認識している」と述べ、中小企業の働き方改革の必要性を強調した。安倍晋三首相は、長時間労働の是正の声が大きくなっている現状を説明、「われわれがさらに背中を押してくことが大切」と述べ、法規制の執行を強化していく考えを示した。
一億総活躍国民会議
三村会頭は、長時間労働是正に必要とされる労働生産性向上に向け、人材育成や業務改善に取り組む中小企業が多いものの、企業規模が小さくなるほど対応が進んでいないとする日商の調査結果を紹介。現場の実情に応じた人材育成が一層進むような支援や、業界慣行の改善を促すような支援、また、積極的に働き方改革に取り組んでいる企業に対するインセンティブの付与などの施策を求めた。
女性の就業促進については、日商の調査では、既に6割を超える企業で女性の活躍推進について、出産・育児に対応した制度の変更など、具体的な取り組みが進められている状況を説明。一方、働く希望がありながら、適した仕事が無いなどマッチングの問題で仕事に就けない女性や、育児・介護を抱えるため仕事ができない女性がいることを指摘し、「あらゆる援助を差し伸べるべき」と述べた。
安倍首相は、時間外労働を可能とする労働基準法に基づく協定において、健康確保に望ましくない長い労働時間を設定した事業者に対しては、指導強化する方針を表明。関係省庁が連携して、下請けなどの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みも導入する。また、36協定における時間外労働規制の在り方についても再検討を行う考えを示すとともに、子育てなどで一度退職した正社員の復職について産業界に要請した。
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