少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も変化を遂げている。今回の「挑む」では、日本の将来を担う人材の職業選択の幅を広げ、地域活性化につながるキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
仙台商工会議所(宮城県)青年部では平成23年度から毎年1回、市内の大学・短大などの学生を対象に、若手経営者の思いを伝え相互交流を図る懇談会を実施している。同事業は、東日本大震災以降、すべてが様変わりした中で、今後あらゆる面で復興に携わる学生に対し、経営者の思いを直接伝えようと始まったもの。魅力ある地元の中小企業を学生に紹介し、職業選択の幅を広げ、地域活性化を担う若者の地元定着を図ることも狙いとなっている。
同事業は、好評により年々規模も拡大。初回の参加者数は57人であったが、5回目となる27年度には、132人の学生が参加し、大きな盛り上がりをみせた。
27年度は、「学生×社会人(仙台若手経営者)しごと交流会」と題し、2部構成で開催。第1部は若手経営者1人に対し、学生4~5人の少人数制による「グループトーク」を行った。多くの経営者の声を聞けるよう、1回20分のセッションを4回実施。第2部の「交流会」は立食パーティーのような形式で行い、和やかな雰囲気の中、業種、業界の話に限らず、仕事に関わるさまざまな質問に対し、若手経営者らが丁寧に答えた。
参加した学生からは、「地元で働く良さが知れた。人の触れ合いが大切だと分かった」「これから自分がやるべきことが分かった」などの声が聞かれた。
同YEGは、「仙台にどう貢献しているかを直接学生に伝えることができるいい機会。今後も地元企業の良さを感じてもらえるよう、同事業を続けていきたい」と話している。
最新号を紙面で読める!