インバウンドが過去最高を記録するなど、地方創生に向けた取り組みとして観光への注目度が高まっています。一方、観光の盛り上がりがもたらす恩恵は、一部の地域にとどまるなど、現状では日本各地に行きわたっているとは言い難い状況です。そこで本稿では、観光をいかに地域の活性化につなげていくかについて、東洋大学国際地域学部の矢ケ崎紀子准教授から解説します。(全5回予定)
政府の成長戦略における観光の役割が重さを増している。「『日本再興戦略』改訂2015」では、観光産業を地域経済の基幹産業へと再構築させることが明記された。
わが国の年間旅行消費額23・6兆円(2013年)は、米国、ドイツに続いて世界第3位である。大規模であることに加えて、日本人国内旅行(日帰り・宿泊)が9割の20兆円を占め、国内市場の割合が大きいことが特徴だ。
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