日本商工会議所の三村明夫会頭は16日の記者会見で、原子力規制委員会が九州電力川内原発1・2号機の審査書案を了承し、再稼働に向けて一歩前進したことについて、「待ちに待った。大きなステップである」と高く評価。次のステップである起動検査や立地地域の理解促進などを進め、「できるだけ早く再稼働してほしい」と期待を表明した。また、中小企業の9割以上が電気料金の上昇分を価格に転嫁できていない状況に触れ、「安い安定的な電力供給が唯一、最大の解決策だ」と強調した。
法人実効税率の引き下げの代替財源として検討されている外形標準課税の中小企業への適用拡大については、「政府は企業に賃上げを求めているが、付加価値に占める賃金の割合が8割を超える中小企業にとって(外形標準課税は)賃金税と同列ではないか。不当であり、反対である」と強く批判した。さらに、単年度の法人課税での税収中立にこだわることに疑問を呈すとともに、「消費税は引き上げたが、社会保障分野の重点化・効率化は進んでいない」と指摘した。
消費税の軽減税率導入の動きにも反対の姿勢を鮮明にした。「対象品目の線引きは極めて困難。社会保障財源の大幅な減収も招く。中小企業に過大な事務負担が掛かり、転嫁できなくなる心配の声もある」と述べ、7月29日に予定されている与党税制協議会におけるヒアリングで商工会議所の考え方を訴えていく考えを示した。
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