少子高齢化が急速に進む中、若年者を取り巻く雇用環境も厳しさを増している。今回の「挑む」では、日本の将来を担う人材を育成すべく、教育支援や協力活動などキャリア教育を活発に行い、顕著な功績を挙げている好事例を紹介する。
福井商工会議所青年部は平成17年から、子どもたちに将来の仕事に対する「夢」の幅を広げ、地域を支える人材育成を図ろうと「おしごと探検隊〝アントレ・キッズ〟」を実施している。会員自らが自分の職業・職種を地域の子どもたちに紹介し、体験する機会を提供することで、仕事の厳しさ、働くことの素晴らしさ、ものづくり・サービス業の面白さを伝えている。
対象としているのは、小学4年生~中学1年生と、その保護者。依頼のあった学校に直接出向いて実施するものと、中心街の企業で実施する「えきまえアントレ・キッズ」の2種類があり、昨年度は合計6回実施した。
直近では8月22日、福井駅前の企業40店舗、親子数約200組が参加して開催。参加した子どもたちからは、「来年もまた来たい」との感想が聞かれた。さらに、地域の学生25人のボランティアも運営に携わり、キャリア教育に直接触れる機会を創出した。
同事業では、紹介する会員にとっても自分の商売を見直すきっかけになると好評を得ている。ボランティア的な社会貢献活動という側面だけでなく、企業が「信頼」「安心」という利益を得るための社会投資活動として、また、将来の産業の担い手、自社の社員を獲得するための事業として、「第2回キャリア教育アワード経済産業大臣賞大賞」を受賞した。
最新号を紙面で読める!