日本商工会議所と東北六県商工会議所連合会では、被災地事業所からの要望の多い「遊休機械無償マッチング支援プロジェクト」の継続実施を決め、引き続きの支援を呼び掛けている。今後、汎用工作機械、ボール盤、溶接機など被災地で特に希望の多い機械や設備に重点を置き、発掘・マッチングを進めていく。
視察会アレンジも協力
「遊休機械無償マッチング支援プロジェクト」は、東日本大震災の被災事業者に対し、全国の商工会議所ネットワークを活用して、全国各地の事業者から遊休機械などを無償で提供してもらい、被災事業者の要望と合致する機械などを届けるもの。これまでに、全国115の商工会議所から4916件の登録があり、そのうち、67の商工会議所の会員企業336社から提供された機械など2338件のマッチングが成立(4月8日現在)。被災地10商工会議所の会員企業約241社に送られ、すでに活用されている。
プロジェクト開始当初は、事業再開のきっかけとするために多種多様な機械の要望があったが、震災から3年が経過し、仮の工場・店舗で事業を再開した被災事業者が、復興に伴って本来の工場・店舗などで本格的に操業し始めるための機械・設備などについての要望が高まっている。
このため、平成26年度からは、被災事業者の具体的な要望を重視し、内容をさらに充実。迅速なマッチングの実現を図る。
具体的には、過去3年間の実績から、特に要望の多い機械を重点的にピックアップして、要望機械の保有が見込まれるものづくりが盛んな地域の商工会議所の製造業関連の部会などに対し、仕様やメーカー名などの詳しい情報とともに提供。震災対応相談員(機械目利き人・仙台商工会議所内)が、特に要望の多い機械のスペックなどを説明する機会も設けたい考えだ。
さらに、各地商工会議所による東北地方への視察会の企画についても積極的に協力。震災に関する説明、被災地(宮城県内)の視察などのアレンジについては、東北六県商工会議所連合会が支援する。視察団が仙台市に立ち寄った際などに合わせて、事業の説明・機械の提供を呼び掛ける機会も設ける。
各地商工会議所における会報折込チラシや部会開催時の資料配布などによる情報発信も継続。日商と東北六県商工会議所連合会では、「引き続きご協力をお願いしたい」と事業への支援を呼び掛けている。
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