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伝えていきたい日本の技 蛤(ハマグリ)碁石 

黒木碁石店(宮崎県日向市)

白碁石と対となる黒碁石には三重県熊野の那智黒石を使用し、ハマグリと同様の手法で加工しています(撮影:加藤正博)

今月は、透明感のある白色と縞(しま)目が美しい、ハマグリからつくられた碁石をご紹介します。

蛤(ハマグリ)碁石は白碁石の中で最高級とされており、明治時代初期には三重県桑名のハマグリを原料に大阪でつくられていました。明治時代中期以降は、宮崎県日向市のお倉ヶ浜で取れるハマグリの存在が知られるようになり、次第に使用されるようになっていきました。そして明治時代後期の1908年には大阪で碁石づくりを学んだ同市出身の原田清吉氏が技術を持ち帰ったことで、日向のハマグリを用いた碁石が名産品として定着しました。

1917年創業の黒木碁石店では、マスターストーンと呼ばれる基本の碁石と同じ曲線を描くよう、一粒ずつ職人の手で磨きあげています。さらに独自の基準を設けて選別し、高い品質を維持しています。長年の経験と技術から生み出される自然な丸みや、天然のハマグリの柔らかな手触りと打ち味を、より広く知ってもらうため、販路の拡大にも力を入れています。

お問い合わせ

黒木碁石店

TEL:0982-54-2531

HP:http://www.kurokigoishi.co.jp/

※月刊石垣2018年11月号に掲載された記事です。

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