真壁昭夫の経済底流を読み解く 通貨のデジタル化を支えるシステム開発
最近、中国人民銀行(中国の中央銀行)が人民元改革を進めている。これまで、中国人民銀行は、自国の法定通貨である人民元の国際的な信認を高め、その流通範囲を広げようとさまざまな改革に取り組んできた。その背景には、共産党政権が人民元の為替レートの安定を目指していることがある。中国にとって重要なポイントは、基軸通貨国である米国に影響されずに、自国の社会・経済状況に合うよう為替政策を運営する国際的な立場を確立することだろう。
かつてわが国は米国の要請に応じた結果、円高圧力に直面した。1985年9月22日の‶プラザ合意〟はその代表例だ。円高によって海外でわが国企業が獲得した経済的な利得は目減りした。90年代初頭の‶資産バブル〟崩壊以降、長期の経済停滞に陥ったわが国にとって、円高の負の影響は大きかった。一党独裁体制を敷き、国家資本主義体制の強化に取り組む中国の共産党政権にとって、そうした状況は容認できない。
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