本日は、日本商工会議所第132回通常会員総会にお招きいただき、誠にありがとうございます。会場に直接お伺いすることはかないませんでしたが、こうしてごあいさつできることをうれしく思います。
わが国でも、世界でも、今なお新型コロナウイルスとの闘いは続いております。そのような中で、国民の皆さまの不安を解消するために、政府として全力を尽くしてまいりました。
日本商工会議所の皆さまにも、テレワークをはじめ新しい働き方に向けて、多くのご協力を要請させていただいております。皆さまのお力添えに、改めて、心より感謝いたします。
一方、感染症の拡大に伴い、全国の中小企業・小規模事業者の皆さまの事業環境は、かつてないほど厳しいものとなっていると承知しています。この状況を乗り越え、事業や雇用を継続していただけるよう、雇用調整助成金の特例措置の延長や、無利子・無担保融資の限度額引き上げなどの重層的な支援を通じて、雇用と事業、暮らしを守ってまいります。今後とも、切れ目のない政策を実行に移し、感染症の収束に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
同時に、ポストコロナの時代を見据え、わが国経済が再び成長し、世界をリードしていくよう、わが国産業の国際競争力強化に向けた取り組みを進めてまいります。私は、その成長の鍵となるのは、「グリーン」と「デジタル」であると考えております。
昨年10月、「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。世界の脱炭素化の流れが進む中、もはや環境対策は経済の制約ではなく、次の成長の原動力になると考えます。中小企業の皆さまにも、例えば、これを機に新たなビジネスに挑戦される皆さまや、省エネ設備の導入に取り組まれる皆さまを応援してまいります。
また、役所に行かずともあらゆる手続きができる、地方にいても都会と同じような仕事や生活ができる、こうした社会を目指して、デジタル庁が司令塔となり、誰もがデジタル化の恩恵を最大限受けることができる、世界に遜色のないデジタル社会を実現します。
特に、デジタル化を通じて、中小企業の生産性の向上につながる施策をしっかりと準備いたします。
さて、日本経済は中小企業・小規模事業者無くしては成り立ちません。全国で7割の雇用を占め、地域経済を支える皆さまは、まさに日本の屋台骨です。
皆さまの成長を後押しするために、中小企業の生産性を向上させ、足腰を強くする仕組みを構築し、創意工夫する企業を応援してまいります。
例えば、高い技術を持つ中小企業の経営基盤を強化し、海外でも競争できるような企業に成長していくことも重要ではないでしょうか。私が経済産業大臣政務官であった約20年前から抱いていた思いであります。新型コロナウイルス感染症を乗り越えて海外展開を目指す意欲ある中小・小規模事業者を後押しするため、中小機構やJETROなどの関係機関が一丸となり、積極的に支援を行ってまいります。
加えて、ポストコロナに向けて経済成長を実現していく上で、大企業と中小企業が共に成長していく環境をつくっていくことが、極めて重要と考えております。中小企業が収益を確保できるよう、価格転嫁などの取引適正化を進めてまいります。
日本商工会議所の皆さまには、地域の中小企業・小規模事業者のリーダーとして、これからも大いにご活躍いただきたいと思います。皆さまが挑戦し、さらなる活躍を遂げることができるよう、最大限サポートし続けてまいります。
最後に、新型コロナウイルスとの闘いが続く中で、命と暮らしを守り、そして経済を回復させるよう、これからもまい進してまいります。日本商工会議所ならびに全国の商工会議所のさらなるご発展と、本日お集まりの皆さまのますますのご健勝を祈念いたしまして、私のあいさつとさせていただきます。
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