日本商工会議所の三村明夫会頭は22日、定例の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、政府が検討している緊急事態宣言の再発令について、「基準があいまいなまま宣言が長期化しないよう、宣言を出す理由と解除基準をあらかじめ明らかにするべき」と強く求めた。
日商の三村会頭は、政府が検討中の東京など4都府県に新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言発令について、「これまでの知見と政策の検証に基づいて効果的な対策を短期集中的に講じ早期解除を実現してほしいし、何よりこれを最後の宣言にしてほしい」と述べた。
事業者への影響については、「中小企業、とりわけ飲食・サービス業などの人流をベースとした業種・業界への影響は極めて大きい」と懸念を表明。影響を受ける事業者に対する十分な補償が必要との考えを示した。
その上で、これまでの防止対策については、「従来の飲食だけでは効果が足りなかったというのは、まん延防止等重点措置で明らかだ」と述べ、今後、まん延防止等重点措置が発令される地域について、「これまでの措置の効果検証を行い、不備があるなら是正し、緊急事態宣言を発令しないよう検討すべきだ」と述べた。
東京への宣言発令に関しては、医療崩壊ではなく「予防措置という意味合いが強い」と指摘。「医療提供体制の充実が今後も絶対に必要だ。現在の医療資源をフルに活用する役割分担などを行ってほしい」との考えを表明した。
日米首脳会談の成果と日本政府のスタンスについては、「日米安全保障上の同盟関係が再確認された。脱炭素に向けて日米が共同で取り組むことを宣言しており、歴史的な会談だった」と述べた。また、安全保障上極めて重要な半導体などのサプライチェーン構築についても連携を明言したことについても高く評価した。
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