庄原商工会議所(広島県)と、市内の他の経済団体や庄原市などで構成する「庄原でいきいき働く協議会」は、バーチャルリアリティー(VR)による「地元高校生向け企業紹介イベント」を3~4月に開催した。コロナ禍で、他人と接触する機会を減らし就職ガイダンスを行うため、VR技術を活用。参加した市内の高校生は、学校や自宅などから、バーチャル空間内で自由に地元企業の各ブースを訪問した。
庄原商工会議所などで構成する協議会は2019年に地元高校生向けの地元企業紹介イベントを実施し、学校関係者、企業から好評を得ていたが、昨年は新型コロナウイルスの影響により実施できなかった。
そこで、VR技術を活用し、コロナ禍においても地元高校生が地元企業への就職に向けた情報収集を行えるよう支援したいと企画。Web上のバーチャル空間を利用して展示会会場を再現できる仕組みを開発した広島市の企業・エネルギア・コミュニケーションズとビーライズの協力を得て実現した。
イベントでは、参加した市内の企業45社が自社の動画やホームページなどを投稿し、地元高校生がゲームのように自由にバーチャル空間内の会場を移動しながら地元企業の各ブースを訪問。投稿された動画の視聴やチャット機能によるコミュニケーションで、学校や自宅を問わず自由な場所から好きな時間に情報収集ができる形で企業訪問を疑似体験した。
参加した高校生からは「分かりやすくて面白かった」「一度に多くの企業情報が見られて新しい発見があった」との声が寄せられ、好評だった。
同協議会では、将来的には、年間を通じてバーチャル空間を利用したさまざまなコンテンツ配信などを計画中。ICTの利活用推進による地域課題の解決に取り組むとともに、VR企業訪問については、対象者を大学、専門学校生、一般求職者に拡大し、地元企業の雇用確保や人口減少対策につなげていく考えだ。
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