鈴鹿市は名古屋市の南方約40㎞に位置し、東に伊勢湾、西に鈴鹿山脈と恵まれた自然環境の中にあり、伝統と歴史と文化に育まれた産業都市です。戦後、自動車産業を中心に発展を続け、製造品出荷額は1兆2000億円を上回り、年間の観光客は500万人以上を数えます。一番の特徴としては自動車レースの最高峰F1が開催され、モータースポーツの聖地として毎年多くの来訪者があります。
2019年2月には新名神高速道路が開通し、本年2月には新名神と鈴鹿中心部を結ぶ自動車専用道路が都市計画決定されました。交通ネットワークの充実により、ものづくりの拠点である鈴鹿のポテンシャルは今後、一層向上すると予想されています。
私は16年11月に鈴鹿商工会議所の会頭に就任し、三重県、鈴鹿市などと連携して道路網の充実による地域のさらなる活性化を推し進めるとともに、人口減少時代に突入する中、女性活躍の視点から将来を担う子どもたちに地元企業への理解を促す活動に注力するなど、会員一丸となって未来志向の取り組みを進めてまいりました。
しかし19年11月に2期目の会頭就任後間もなく、コロナ禍の時代に突入し、商工会議所の活動もさまざまな制約を受け、事業も縮小・中止を余儀なくされました。ワクチン接種が進みつつある今、いかにポストコロナにつなげていくか、日々腐心しているところです。
私は鈴鹿市で65年前に開業した医師の次女として生まれ育ち、現在は父の跡を継ぎ、医療法人の理事長を務めています。今から33年前、1988年には57床の小さな病院でしたが、その後、超高齢化社会に必要とされる事業を重点的に進め、現在は、病院、介護老人保健施設など24の事業所を約600人の職員により運営する医療法人に成長しました。98年に父が他界した後は組織のトップとして、先取り経営、人材の育成・確保、そして医療サービスの高度化に力を注いできました。日々厳しい局面の連続でしたが、私の座右の銘である「継続は力なり」を実践し、継続することに重きを置き、「前をのみ見つめながら」歩いてきました。
商工会議所の会頭としても、この「継続」を念頭に「前をのみ見つめながら」会員企業の皆さまとともに、鈴鹿市の発展に尽くす所存です。鈴鹿には千年以上の歴史を誇る伝統産業の鈴鹿墨、東海道の旧宿場町や伊勢国の国府・国分寺跡などもあります。コロナ終息後には、ぜひ鈴鹿市にお越しください。
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