流山市は、千葉県北西部に位置し、都心から25㎞圏にある住宅都市です。2005年に開業した首都圏新都市鉄道「つくばエクスプレス」により、秋葉原と20分余りで結ばれています。この10年で人口が約5万人増加。増加率は5年連続で全国一位です。また、常磐自動車道流山インターチェンジ北側のおよそ90haで大規模な物流施設が稼働・建設中で、全ての建物が完成すると1万人を超える雇用が生まれるといわれています。
流山商工会議所は2010年、全国で514番目の商工会議所として設立されました。三代目の会頭に、陶芸家で女性の私が選ばれたのはなぜなのか、今でも不思議な気持ちです。
生まれは、北九州門司。銀行員の父の転勤で大阪、神戸、東京と転々とし、流山市に住居と陶房を構えて40年になります。幼少の頃から、文学、芸術に興味があり、自分を表現できることを探していましたが、それが陶芸であったようです。夫と共に赴任したマレーシアでの5年間の勤務後、5年半の陶芸修業を経て、流山市に開窯しました。中国は宋の時代に咲いた「紫紅釉(しこうゆう)」の再現を求めて「紫焔窯(しえんがま)」と命名し、作陶の傍ら陶芸教室を開催。都内百貨店での個展開催や美術館での作品発表と活動を広めていきました。
父が実業家、夫が経済人という環境が、私を経済の道へ導いたように思っています。会頭就任と同時に、世界中に新型コロナウイルスの感染が広がり、その対応に追われる状況の中、会頭諮問機関として、二つの委員会を設立しました。常議員を中心とした戦略委員会、事業主を中心とした経済研究会、それぞれ年5回の講師を囲んでの勉強会を二期終え、新年度からは三期目を迎えます。テーマを囲んでのディスカッション方式で、その成果を会員の皆さまにお届けしていきます。コロナ後の新しい社会様式に対応し、会員の皆さまの発展にお役に立てるよう流山商工会議所を強化してまいりたいと思っています。
コロナ禍は私どもの価値観やニーズを一変させました。今後も社会経済状況は目まぐるしく変化を遂げると思います。重要なのは常に時代に敏感かつ柔軟であるということでしょう。中小企業経営には、厳しい変革が迫られています。その意味でも、商工会議所は、新たな時代に入ることとなりました。当所設立10年が過ぎ、これから先の10年に向け、地域の発展と安定のため努力してまいりたいと思います。
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