SNSを使って気軽に楽しく! 発達障がい児向け家庭学習支援のパイオニアを目指す
株式会社ぱんだの庭 代表取締役 吉田 抽香里(よしだ・ゆかり)
自身の経験から、家庭学習支援の重要性に気付く
今から8年前、小学校1年生の息子が35点の算数テストを持って帰ってきたことにびっくりして、目の前が真っ暗になりました。息子は小学校に楽しく通っていると思っていましたが、教室の一番前の席で、ずっと担任教師からサポートされないと授業中座っていられないという状況だったのです。
当時、会社員とハンドメード作家を掛け持ちしていた私は、忙し過ぎて気が付きませんでした。算数が分からない息子を前に、何から教えていいのか全く分かりません。その時、家庭教師歴20年以上の双子の姉が手を差し伸べてくれたのです。「この問題を10分間で解かせてみて」「10分が終わったら、好きなことをさせていいよ」「テレビを見ている時間をスケジュール帳に書き出してみて」と次々に具体的なアドバイスがあり、「ダイエットサポート」のようだなと感じました。姉は、私が毎日することをFacebookの2人だけのページに書き込んでくれ、私は、姉に叱咤(しった)激励されながら、息子に足し算と引き算を教えました。
発達障がいの専門家の意見ではないものの、家庭学習支援・家庭教師のプロの姉からの助言とサポートは、当時の息子と私を劇的に変えていきました。悩みの種だった、息子の学校への行き渋りも日に日になくなっていったのです。発達障がい児であっても、家庭学習と学習能力を向上させることで、学校になじむことができると、私は身を持って知りました。
そして2018年、姉の家庭学習支援の講座がSNSで大きくシェアを広げていったことをきっかけに、私は事業化へ踏み切りました。
「発達障がいからの大逆転」をもっと知ってほしい
弊社プログラム「凸凹ぱんシックス」は、発達障がい児向けのタイプ別勉強法です。これを使い、発達障がいから大逆転した親子は、数多くいます。皆さん口々に言われるのが、「親子ともども明るくなった」「発達障がいだということを隠さなくなった」ということです。ありのままを受け入れる教育はせず、時に厳しい取り組みも親子で乗り越える必要があります。
また弊社が提供している「ぱんだちゃんのおうち学校」サービスを利用している家庭の7割が共働き。夕方6時からは毎日が子どもとの壮絶なせめぎ合いです。学習面だけではなく、生活面でもさまざまなサポートが必要になる発達障がい児は、非常に時間も手間もかかります。だからこそ、私たちは子どもの家庭学習だけではなく、その両親を精神的に支える手法をメインコンテンツにサービスとして組み込みました。
これからも働くお母さんたちにとって使いやすい、つまりは具体的で分かりやすい、時間管理から子どもとの平日の過ごし方などまで、全てがインクルードされたタスク管理型の家庭学習支援を提供していきたいと考えています。
会社データ
社名:株式会社ぱんだの庭
所在地:大阪府豊中市桜の町4-2-12
電話:06-6842-9910
創業:2018年
事業概要:発達障がい児特化型SNSを使った家庭学習支援事業
【豊中商工会議所】
※月刊石垣2022年6月号に掲載された記事です。
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