日本商工会議所の三村会頭は6日、定例の記者会見に臨み、岸田首相がGX実行会議で、原発の新増設やリプレース、既存原発の稼働期間の延長などを検討すると表明したことについて、「ようやくわれわれの考え方と政府の考え方が一致したと非常に喜んでいる」と述べた。原発の活用については「絶対に必要なこと」と指摘。今回の政府方針について歓迎の意を表明した。
三村会頭は、国のエネルギー政策について「カーボンニュートラルを追求する一方で原子力発電の位置付けを明確化しないこと自体が問題であると主張してきた」と述べ、足元の電力安定供給に向けた原発の再稼働、設置許可済みの原発について、国が責任を持って地元の理解を得るなどの方針を示した岸田首相の発言を評価。原発の運転期間の延長の検討、次世代革新炉の開発・建設や核燃料サイクル・最終処分に関する研究についても「大いに期待している」と述べた。
円安進行が日本経済全体に与える影響については、「二極化している。輸出企業は為替差益などのメリットが大きく、輸入企業や家計はコストアップにつながるためデメリットが大きい」と指摘。「好ましいのは、メリットを受けた企業がそのメリットを日本経済に還元することだが、今のところそのような動きは乏しい。この状況を何とか打破しなければならない」と懸念を表明した。
また、「円安が日本経済に与える影響をしっかりと分析・共有した上で、どのような政策が望ましいのか検討することが不可欠だ」と指摘。「どこかのタイミングで金融緩和策の出口を探らなければ、日本経済は正常な活動を続けることはできない」との考えを表明した。
陽性者の自宅療養期間短縮など、政府の新型コロナウイルス感染防止対策などについては、「政府は療養期間の短縮に加え、濃厚接触者特定の廃止、自宅療養者の自主隔離緩和、水際対策のさらなる緩和、全国ベースでの全数届け出の緩和などを検討していると聞いている。私どもとしては、全面的に賛成だ」と強調。「ただし、水際対策についてはまだ問題が残っている」と述べ、日本入国に査証(ビザ)の取得を義務付けていることの早期改善を求めた。
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