たまに暴飲暴食してもかつては何ともなかったのに、いつの間にかちょっと食べ過ぎただけで胃もたれしたり、不快感があったり……。
このような胃の状態の変化を「胃年齢」といいます。胃は年齢の影響を受けやすい臓器で、加齢とともに胃の運動機能が低下し、消化に時間がかかるようになります。また、胃の粘膜も萎縮していき、胃粘液の分泌量も減っていきます。そのため胃粘膜を守る働きが弱くなり、胃炎なども起こりやすくなります。
さらに胃年齢にかかわらず、胃に悪影響を及ぼすのがストレスです。ストレスが掛かると、体の自動調節機能である自律神経のバランスが崩れ、消化に必要な胃酸が過剰に分泌されて胃粘膜を傷めるので、胃炎を招きやすくなるのです。
胃にストレスを与える要因に、睡眠不足や過労、生活の乱れ、暴飲暴食、多飲や喫煙、カフェインなどの刺激物や冷たい食べ物の取り過ぎ、暑さや寒さ、仕事や家庭の悩みなどが挙げられます。また、現在ではコロナ禍ゆえの制約や我慢、感染の恐怖、マスクの不快感などもストレスとなり得ます。
年齢を重ねていく胃を良い状態に保つには、こうしたストレス要因をできるだけ排除していくことが先決です。まずは、満腹になるまで食べない、だらだら食いをしない、アルコールを控えるなどを実践し、胃の負担を軽減しましょう。睡眠時間をしっかり確保する、疲れを翌日に持ち越さない、適度に体を動かして気分を発散させるといったことも大切です。また、夏でも体が冷えている場合があるので、お風呂に漬かって血行を促すと、リラックス効果が得られます。
こうして胃の健康を保てば、食欲も旺盛でいろいろな種類の食品を食べることができ、必要な栄養も取りやすいため、体の健康維持にもつながります。食べること自体を楽しめるので、会食などを通じて人間関係が豊かになり、仕事にもプラスに働きます。ぜひ今日から、胃をいたわる生活を心掛けてみてください。
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