日本商工会議所の三村明夫会頭は10月11日、テレビ会議方式で開催された政府の「第4回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」に出席し、「価格交渉・転嫁が実施できる環境を粘り強く整備することが必要」と指摘した。会議には、政府側から山際大志郎経済財政相、西村康稔経産相らが、民間からは三村会頭のほか、日本経済団体連合会の十倉雅和会長、連合の芳野友子会長が出席。パートナーシップ構築宣言のフォローアップと大企業と中小企業の共存共栄に向けた今後の取り組みなどについて意見交換を行った。
山際経済財政相は、宣言企業数は9月末時点で1万4千社を超え、大企業の宣言数増加ペースが加速していることなど、前回会議(2022年2月)以降の取り組み状況などを報告。西村経産相は、宣言企業・下請け企業向けのアンケート調査結果や、価格交渉促進月間、下請中小企業振興法の「振興基準」改定など取引適正化の取り組みなどを説明するとともに、パートナーシップ構築宣言の拡大に向けた政策的インセンティブの拡充などの必要性を指摘した。
三村会頭は、パートナーシップ構築宣言の実効性をより高めるためには、「これまでの取り組みに加え、事案の度合いによっては企業名を公表するなど、価格交渉・転嫁が実施できる環境を粘り強く整備することが必要」と強調。政府が実施した下請企業3万社を対象にした調査の回答率が11・6%と低かったことについては、「調査に回答することで何らか不利益を被るのではないかと考える企業も多いのではと憂慮する。政府と一丸となって不安の払しょくに努めたい」と述べた。
また、埼玉県の「制度融資の対象に宣言企業を追加」「補助金や入札制度で優遇措置を講じることを検討」などの取り組みを高く評価。「政府には、同様の取り組みが促進されるよう、対応をお願いする」と述べた。
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