伝統産業の存続目指し講座開設
大川商工会議所は4月から、家具職人を育てる講座「大川家具職人塾」を開催している。九州産業大学名誉教授の山永耕平氏が講師を務め、基本的な木工機械と手加工による家具製造技術の習得を目指して、のこぎり、カンナ、ノミの手入れや使い方、機械の使い方などを指導するもので、受講生からは「確かな技術を身に付けられる」と評判だ。同講座は、今年度は来年3月まで、毎月第2・第4の土・日曜日に開催する。
大川市は480余年の家具づくりの歴史を持つ〝家具のまち〟として知られているが、近年、安価な輸入家具や機械の発達による大量生産の家具に押され、職人の手による家具づくりを行う企業数は減少している。同事業はこうした状況に歯止めをかけ、職人の手によるものづくりを存続させることを目的に2015年から人材育成事業として毎年開催しているもの。
講座は、技術習得後、大川家具製造に関われる人を対象とし、質の高い指導を行えるよう受講生の人数を5人程度に絞っているが、例年、定員を超える応募があるという。受講生は書類審査と面接で選抜される。同所は、「伝統産業を守り、世界も視野に、付加価値のある製品をつくれる職人を育てたい」と話している。
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