浦添商工会議所(沖縄県)は11月1日から12月9日までの39日間、浦添市の歴史に裏打ちされた魅力満載の体験プログラムイベント「りっか! 浦添」を開催した。日本商工会議所の補助事業である平成30年度地域力活用新事業「全国展開プロジェクト」に採択された「りっかりっか! プロジェクト」の一環で、島をよく知る小規模事業者が中心となり、特別な体験の提供と案内人として「浦添ファン」を獲得しようとする試みだ。
琉球王国発祥の地・浦添市の奥深い歴史を伝えるため、同所が小規模事業者と協力してスタートさせた同イベント。地域資源を活用した取り組みとして、文化、自然、工芸、学、食、歩、美の7分野で充実のプログラムが組まれた。参加したのは市内の飲食店や工芸品店など34事業者。浦添の夜景が楽しめる「ナイトクルージング」や、組踊役者が解説する「沖縄の芸能・組踊鑑賞」など、37のプログラムが用意され、初めての試みながら「浦添ファンを増やしたい」という地域事業者の思いが一つになって、数々の感動体験を実現・サポートした。
結果として、地元の新規客だけでなく、口コミによって海外からも参加者が訪れたほか、この体験がきっかけで、店舗のメンバーズ会員となる人もいた。参加者からは「毎年開催してほしい」という声が多数寄せられ、1人で複数の体験をした例もあった。事業者も「観光や経済に直接アプローチできる手応えを感じた」という。同所担当者は「ディープな浦添を知ることができる機会を提供できた。継続することで地域への誇りを醸成したい」とさらなる発展に期待を込めた。観光体験イベントにも注力しながら、現在は、特産の「島桑」を使った食品や、かつて市民に愛された泡盛の復活を目指すなど、特産品開発も進めている。来年度以降、全国へのアピールを加速させる計画だ。
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