経済産業省と公正取引委員会はこのほど、親事業者(約21万社)および業界団体代表者(約千団体)に、下請け取引の適正化を求める要請書を発出した。要請書では、下請代金支払遅延等防止法における親事業者の義務として、「書面(注文書)の交付および書類の作成・保存」と「下請け代金の支払期日を定めることおよび遅延利息の支払い」を挙げ、その順守を要請。また、親事業者の禁止事項として、「受領拒否」「下請け代金の支払い遅延」「下請け代金の減額」などを列挙している。特に親事業者に対しては、調達担当者のみならず役員などの責任者まで周知徹底を図り、現場責任者には調達担当者の指導および監督に当たらせるなど、適切な措置を講じるよう求めている。
さらに、経済産業省と公正取引委員会は、年末にかけての金融繁忙期を迎えるに当たり、下請け事業者の資金繰りなどについて一層厳しさを増すことを懸念。親事業者が下請け代金を早期にかつ可能な限り現金で支払い、下請け事業者の資金繰りに支障を来さないようにすることが必要としている。
加えて、人手不足の深刻な中小企業の経営悪化が懸念される中、極端な短納期発注などは、取引先における長時間労働などにつながる場合があり、下請法の違反の背景にもなり得えることから、特に留意するよう求めている。また、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、減額などによる消費税の転嫁拒否などの行為を行うことがないよう注意を呼び掛けている。
詳細は、http://www.meti.go.jp/press/2018/11/20181127005/20181127005.htmlを参照。