8年ほど前、ある若い社長から「自分の会社を船井総研のような会社にしたい」という相談を受けました。この青年ならやり方次第では……と考え、2年間ほど指導し、社員数70人弱になった頃で契約が終了しました。小山からはもう教わりきった、と思ったのかもしれません。
昨年末、行きつけのバーで偶然その社長に再会し、後日、社を訪ねて2時間ほど話をし、コンサルティング契約を再び結びました。社員数が7年前と変わらないままで、「どうすればいいのか」と考えていたタイミングだったとのことでした。
さて、ここからがテーマです。組織論で言うと、80%近くの会社は70人を超えることはできません。会社は、社長がマネジメントできる人数までしか大きくなれないのです。30人までしかマネジメントできない社長、70人までの社長、100人まで、300人まで、700人まで……、それぞれ異なる要素が必要となります。
社員数70人というのは一つの分岐点で、オーナーがワンマンで何でも自分でやり、役員会の議題も社長が決めて、役員会は御前会議同様。こういう会社はたくさんあります。
船井総研が上場準備に入った時、創業者の舩井幸雄氏は証券取引所で「舩井さんだけの会社でしょ? 舩井さんがいなくなったら存続できないような会社は、上場できませんよ」とはっきり言われたそうです。以来、氏は現場でのコンサルティングをやめ、多方面からの準備を徹底し、その後3年半くらいで事業家としての夢、上場を果たしたのでした。
会社の規模を拡大するには方法があります。例えばリフォーム業だとしたら、「これはお前が現場監督しろよ」という育て方をほとんどの会社がやっています。社長が営業して仕事を取ってきて、社員4人に現場監督をさせる、といったやり方です。しかしこれでは、30人以上の組織にはなれず、年商は3億程度まででしょう。
大きくするには、現場監督ができるようになった社員に営業を教えなければなりません。営業4人が、それぞれ年間2~3億売り上げるようになれば、年商10億の組織となれるのです。社長が全部自分で見ないと不安な人なのか、指示とチェックだけして後は権限委譲できる人なのかで分かれます。
冒頭の会社の夢実現には、10年計画が必要です。コンサルティングは今年から始まりました。月に1回、3時間の予定の中で、社長と1時間話をし、2時間は役員それぞれと話をし、段階に合わせて指導するわけですが、3カ月目くらいに、「社長の言動が変わってきた」との評判を耳にしました。夢に向かっての土壌づくりが始まったのです。
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社名 : 株式会社 風土
TEL : 03-5423-2323
担当 : 髙橋
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