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第4次安倍改造内閣に望む ~成長・安心に向けて、強力な政策展開を~

わが国経済は、「アベノミクス」の成果によって総じて緩やかに回復しており、デフレではない状況に達している。

他方、人口減少、超高齢化といったわが国の構造的課題に対し、企業や国民は、先行きに不安を抱えている。今般発足した新内閣は、こうした不安を打破するための政策を強力に展開すべきである。

わが国経済の最重要課題は、いまだ1%程度にとどまる潜在成長率の引き上げである。サプライサイド政策を加速化する、「アベノミクス」のさらなるステップアップにより、成長をより確実なものにすべきである。上記の構造的課題は最も早く、かつ深刻に中小企業に形となって表れる。従って、中小企業が直面する課題を解決することが日本全体の課題を一歩早く解決し、成長を加速することにつながる。

また、財政や社会保障制度の持続性確保、地方の疲弊、防災・減災といったさまざまな課題について正面から改革・推進に取り組み、国民全体が将来に向けた安心と希望を持てる、「未来を見据えた国づくり」を目指していただきたい。

これらの基本的な考え方の下、新内閣におかれては、以下の政策に早急かつ集中的に取り組まれたい。 商工会議所としても、実現に向けて自ら行動し、力を尽くすとともに、政府に対し最大限の協力を行う所存である。

1.人手不足への対応とビジネス環境整備

人口減少により人手不足は深刻化しており、外国人を含めた多様な人材の活躍推進や、リカレント教育をはじめとした人材への投資などの人づくり革命、働き方改革の着実な実行が極めて重要である。

また、IT・IoTの駆使やロボット・AIの導入・活用などに企業が果敢に取り組むため、未来投資戦略などで力強く示された、中小企業の生産性向上を図るIT化支援の実行と加速化が必要不可欠である。

さらに、現在、世界では反グローバリズムの動きが見られるものの、わが国の発展には、グローバリズムの恩恵を最大限に活用することが極めて重要であり、世界の貴重な共通資産である自由貿易体制の維持・発展が必要である。政府は、グローバリズムの推進役として指導的役割を果たし、RCEPの成立をはじめ、ハイレベルで包括的な広域経済連携協定の締結に引き続き注力されたい。

2.中小・中堅企業の活力強化、地方創生

事業承継税制の利用促進のための支援体制の拡充や、「開業率10%台」の実現に向けた創業支援の充実、中小企業の海外展開の支援に取り組むとともに、地域を支える中小・小規模事業者の経営支援体制を抜本的に充実強化させるべきである。

また、地域外の需要獲得に向け、キャッシュレス対応などインバウンド需要の取り込みや農商工連携の促進、地域資源の活用支援、観光振興を加速化するとともに、民間の創意に基づくコンパクトシティー形成への支援拡大や、ストック効果を重視した社会資本整備の加速を進めるべきである。

加えて、復興五輪の成功や、大阪・関西万博の誘致といった国家的プロジェクトに向けた取り組みも強力に推進すべきである。

3.社会保障制度改革の断行

「将来の安心」を確保すべく、高齢世代から現役・子育て世代への大胆な資源の再配分や、高齢者の応能負担割合の引き上げなど、医療や介護、年金などの社会保障制度改革を加速化、断行する必要がある。また、企業が従業員の健康づくりに主体的に取り組む「健康経営」の促進も重要である。

さらに、2019年10月の消費税率引き上げの確実な実施が必要である。社会保障財源としての消費税引き上げに対する国民の理解を深めるための広報を強力に展開するとともに、中小企業の円滑な価格転嫁に向けた環境整備を推進すべきである。また、遅れている事業者の軽減税率制度導入への準備を促す徹底的な広報を行うべきである。

4.災害からの復旧・復興、防災・減災対策の着実な推進

引き続き、東日本大震災からの本格復興と福島創生への支援継続、熊本地震からの復興の加速化に向けた支援が望まれる。また、今夏の西日本豪雨や北海道胆振東部地震などの大規模災害については、生活基盤の再建やグループ補助金の運用改善をはじめとする事業再開支援など、早急な復旧・復興支援が必要である。

また、防災、減災、国土強靭化の推進に向けて、経済社会の基盤となるインフラの整備・拡充や既存インフラの老朽化対策・長寿命化が重要である。さらに、被災地において事業再建を支える民間の支援活動の強化や、事業継続計画(BCP)の策定支援や意識啓発など、「自助・共助」を促す支援を行うべきである。 (10月3日)