恵那市は、2024年版「住みたい田舎ベストランキング」(宝島社『田舎暮らしの本』)で全国1位となりました。美しい自然、豊かな食文化や多彩な歴史などが選出理由にあります。恵那山、笠置山などの山々に囲まれ、木曽川をはじめとした澄み渡る幾多の清流が流れており、四季折々の美しい景色を楽しめます。
また、当地は歴史的にも魅力にあふれるまちです。今からちょうど100年前の1924年に完成した日本初の水力発電ダムである大井ダムのせき止めでできた恵那峡は、近年、桜の名所としてますます多くの観光客が訪れ、来年には「全国さくらシンポジウム」が開催される予定です。そのほかにも、中心市街地を横断する中山道大井宿や、鎌倉時代に築かれて以来800年の歴史を持つ岩村城跡周辺に保存されて残る城下町、レトロな雰囲気の日本大正村などは訪れる人を魅了しています。現在、これらの観光拠点を結ぶ全長25㎞の明知鉄道にSLを復活させることも検討されております。
近い将来には、この地にリニアが走る予定です。駅舎が建てられるのはもちろんのこと、リニア沿線上唯一の車両基地も建設され、リニア関連産業の拠点都市となることへの期待が高まっています。リニア開通後は名古屋まで10分、東京までわずか40分となり、都会と田舎に同時に生活拠点を持つ「二地域居住」および「リモートワーカー」にとって理想的な地になることでしょう。そして、世界最速列車のリニアとノスタルジックなSLが走ることになる当市は、ますます魅力的でポテンシャルの高い場所になろうとしています。
さて、私が代表を務めるセントラルグループは、この地で1868年に雑貨商として創業以来、150有余年にわたって商いを営んでおります。私で五代目となりますが、時代の移り変わりとともに形を変え、今では各種建設事業を中心に運送業、警備業、看護・介護関連事業などを展開しております。「企業は人なり、人は姿勢なり、姿勢は心なり」の企業理念を掲げ、礼儀正しくあれ、紳士淑女たれ、利他の心を持て、といった心の姿勢を大切にした経営を心掛けております。
商工会議所の使命はいうまでもなく、地域経済を活性化させることにあります。人口減少が進む昨今、それは決して容易なことではありません。しかし、幸い恵那には縷々(るる)申し上げた観光やリニアといった優位性があります。微力ではありますが、掲げた「経済を中でまわし、三方よしの恵那を築く」のスローガンの下、商工会議所活動にまい進する所存です。
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