若狭国(現・福井県)小浜と京都を結ぶ鯖(さば)街道。海のない京の都へ、日本海側の小浜から魚介類を運ぶ物流ルートで、何本かの道があったが、鯖を運ぶ割合が多かったことから総じて鯖街道と呼ぶ。京都の鯖寿司(ずし)が有名なのも、鯖街道があってこそだ。
その鯖街道の起点となる小浜は、今も鯖のまちとしてにぎわっている。商店街の路地を歩くと、どこからともなく鯖を焼く匂いが鼻をくすぐり、匂いにつられて見てみると、何とも見事な焼き鯖がドドド~ンと店先に並んでいる。これが小浜名物の「浜焼き鯖」。脂の乗った大きな鯖を1本丸ごと串刺しにして焼いたもので、外側の皮はカリッと中の身はふんわり。ショウガ醤油(じょうゆ)をつけると、とめどなく食べられる。
「鯖へしこ」は鯖を塩、ぬかに1年間漬けた保存食で、薄く切ってそのまま食べるか、サッと焼いてもOK。ぬかのうまみが鯖の奥の奥まで染み込んで、何とも言えないおいしさを醸し出す。しょっぱいので少しずつほぐして食べる。酒のさかなに最高!お茶漬けにもよい。
鯖は日本人の食卓には欠かせない魚の一つ。鯖のまち・若狭小浜ならではの食べ方を知り、鯖のすごさ、奥深さに感動したのだった。
Data
社名 : 朽木屋商店(くつきやしょうてん)
所在地 : 福井県小浜市小浜広峰39
電話 : 0770-52-0187
【小浜商工会議所】
最新号を紙面で読める!