紫式部が主人公のNHK大河ドラマ『光る君へ』。ドラマを印象づける、平安かなの題字を揮毫(きごう)したのが書道家の根本知さんだ。出演者の書道指導も担当し、登場人物の人柄が伝わる書をサポートする。ドラマを機に注目される平安かなだが、実は書道家でも探究する人は極めて少ない。その中でかな文字の魅力を広めようと、根本さんは何でもやった。
お年玉で買ったのは木彫りの大黒様
根本知さんが、初めてかな文字を目にしたのは中学2年生の頃、家庭教師が所持するものだった。 「きれいな紙に細い字がゆらめいていて、美しい絵みたいだなと思いました。先生に『これは習字?』と尋ねると『違うよ、書道だよ』と言うのです」
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