「ガラスのまち」として有名な富山市で、技術と芸術、産業と文化を結ぶガラス作家の活動拠点となっている富山ガラス工房。同施設に作品を寄せている県内在住の作家がつくった寿司ネタのガラス細工入りボールペンがSNSで注目を集めた。お土産や贈り物として人気となり、ショップに登場すると“秒で完売”する状態が続いている。
ガラス工芸を新たな地場産業として育成
富山市は、江戸時代初期から「越中富山の薬売り」で知られる製薬・売薬を産業として成長した薬のまちだ。また、薬瓶に使われるガラスの製造も盛んに行われていた歴史を踏まえ、同市は40年ほど前から「ガラスの街とやま」のテーマを掲げ、ガラス工芸を取り入れたまちづくりに力を入れている。 「今ではガラスの薬瓶をつくる会社は一つも残っていませんが、富山にガラスづくりが根付いていたことから、ガラス工芸を新たな地場産業として育てていこうということになりました。1985年に富山市民大学ガラス工芸コースを開講し、さらに富山ガラス造形研究所を開校してガラス作家の育成が始まり、それを産業として定着させるために開業したのがこの工房です」と、富山ガラス工房で営業企画を担当する堀田裕子さんはいきさつを説明する。
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