中国メーカーが強力にけん引して、純電気自動車(BEV)の普及が世界で加速している。振り返れば、内燃機関の車はドイツで開発、実用化され、フォードなど米国メーカーが大量生産、低価格化を推進し、20世紀を「自動車の世紀」、そして燃料である「石油の世紀」にした。EVでは、アジアがバッテリー、駆動システム(eアクスル)など要素技術を含めた開発、生産、市場拡大の主役となっており、EV産業の重心は東アジアにある。もちろん米テスラの存在は大きいが、バッテリーなどをアジアのサプライチェーンに深く依存している。
この数カ月、プラグイン(PHV)を含めたハイブリッド(HV)の巻き返しがメディアの話題になっている。業界、消費者を含めてEVへの過剰な期待が修正されつつあるが、EVの将来性に陰りが出たわけでは全くない。中国では2024年1~11月期のNEV(BEVとPHV)の販売合計は1126万台に達し、BEVだけで673万台が販売された。大きく捉えれば、世界で販売される車の7台に1台が中国市場のBEVやPHVとなった。
最新号を紙面で読める!