米沢商工会議所(山形県)は12月18日、山形県、米沢市、山形大学工学部と「イノベーションの創出に向けた連携に係る基本合意書」を締結した。今後、同大学工学部があり、産業集積地でもある置賜(おきたま)地域の特徴を生かした新たな事業創出などに取り組む。
同合意書は、同地域を①ものづくりをけん引する地域②新たなビジネスに絶えず挑戦できる地域③若者や高度人材が活躍し、定着する地域――にすることを目的に、イノベーションの創出に向けた場と多様な人が交流できる仕組みづくりを進めるために締結された。
同所は2026年秋に完成予定の同所新会館内に、広く産学官の交流を促す連携拠点「米沢地域産業振興センター(仮称)」を設置し、その運営と事業者や同地域で起業する人の活動を活発化する事業に取り組む。市はセンターへの支援を行う。県は各産業振興支援機関との連携拠点を新会館内で別途運営する。山形大学は学生と企業との接点の構築や大学が保有する技術シーズを活用したイノベーションの創出に取り組む。
今後の具体的な取り組みは「イノベーション共創ミーティング」で検討する。同ミーティングは、地域のものづくりの高付加価値化などに向け4者が連携を強化するため24年9月に設立。4者が持つ資産や事業の活用方法や具体的な支援策を協議してきた。その中で、ものづくりのまちであり学園都市でもある同市で新しいことを始めるためには人が集まる場所が必要との意見が出たことから、同所新会館を中心に事業を行うことを決定し、今回の合意書締結に至った。
同所の加藤英樹会頭は「イノベーションを起こす取り組みには各支援機関と企業が積極的にコミュニケーションをとっていくことが必要。その役割を当所新会館が担うことは非常に意義があることと考えている」と述べた。
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