須賀川商工会議所(福島県)は、このほど東日本大震災からの創造的復興を目指して整備を進めてきた震災復興関連施設や特撮関連施設を地域資源として活用し、地域経済の活性化につなげることを目的として、全国の商工会議所のネットワークを生かした新たなツーリズム商品を企画する「震災まちなか復興&特撮ツーリズム推進協議会」を関係者と共に設立し、2月12日に第1回会合を開催した。
須賀川市は、東日本大震災で震度6強の地震に見舞われ、特にまちなかは市役所庁舎をはじめ多くの公共施設などが全壊になるなど甚大な被害を受けた。疲弊した中心市街地の再生・活性化に向けて、図書館や生涯学習、子育て支援、市民活動支援、ミュージアムなど多くの機能を持つ複合拠点施設「市民交流センターtette」を整備するとともに、特撮の神様円谷英二監督の故郷として、円谷プロダクションや特撮関係者の多大な支援を受けながら特撮・ウルトラマンによるまちづくりを進めている。
これらを独自の地域資源として捉え、全国の商工会議所をターゲットとしてツーリズム商品を打ち出していくもので、視察テーマとしては、年間60万人の集客を誇る市民交流センターtetteを中核施設とした「中心市街地の再生・活性化」少子化を見据えた「公共施設の複合化」「特撮・ウルトラマンを生かしたまちづくり」「県内初のパークPFI」などさまざまな視点を盛り込む。
3月中をめどにツーリズム商品を企画し、4月以降に全国の商工会議所に周知する。研修などにおける各施設との連絡調整や行程表の作成、宿泊先・食事先のあっせんは委託する旅行業者である「合同会社ふっくら」が行い、6月以降に視察研修の受け入れを開始する予定だ。
第1回の会合で同所の佐久間貴士専務理事は「震災復興関連施設や特撮関連施設を須賀川ならではの地域資源として捉え、来てもらうのを待つのではなく、攻めの姿勢で積極的に売り込むことが重要。訪問された方々に市内で飲食、宿泊、お土産も買っていただき、地域経済の活性化につなげたい」と述べた。