釜石市は、岩手県沿岸南部「三陸復興国立公園」の中央に位置する「鉄と魚とラグビーの街」です。南部藩士、大島高任により安政4年12月1日、わが国初の「洋式高炉」による出銑に成功したことから「近代製鉄発祥の地」として発展してまいりました。
弊社は、昭和4年に先代である父が製塩業と製材業、製瓦業として創業し、後に現在の土木建築請負業(総合建設業)となりました。灯台や山頂に設置される各種通信インフラの建設および維持管理などを担ってきました。
東日本大震災で社屋が全壊し、資・機材の流失により事業継続が困難となった際には、皆さまからご支援いただき「永く誠実に努めあげてきた」ことが間違いではなかったことを実感しました。
私自身、住居が流され家人を亡くしましたが、当社の事業が多くの人命を救い、地域の復旧に寄与したことに、これまでの苦労が報われた思いです。
『道行之而成 物謂之而然』
道は、行くからこそ、そこに出来上がる
物は、言うからこそ、それは「そういうもの」になる
『道通為一。 其分也成也』
道は滞りなく貫き通してこそ「一」となる
それは分離していても、纏まりが出来上がっては壊れもする つながるまでは「無駄な公共事業」と批判されますが、一つにつながった効果は本当に大きいものです。道は、さまざまなものが行き来しますが、人々は「良きもの」だけが通ることを願い「道切」「道祖神」などを据えるのです。道は「願いと恐れ」が交差します。それは、道という字の成り立ちが、首を向ける方向に足が向いている状態を示すものだからでしょう。
私は多くの人々が交流する「道」に関わり、「ものを言う」ことにも関わり続け、その責任を痛感する次第です。お陰さまで平成31年3月9日、釜石市民の長年の悲願であった三陸沿岸道路および東北横断道釜石秋田線の釜石市内区間が同時開通しました。これにより交通アクセスが格段に向上し、今後は釜石港の物流振興や災害に強い街づくり、観光振興として「命の道」から「未来への希望の道」になることを願ってやみません。
また、今年開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会では、当市で9月に1試合、10月に1試合の計2試合が実施されます。皆さまのご来訪を心よりお待ち申し上げております。
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