昨年6月、知的財産戦略本部が公表した「知的財産推進計画2025」では、改めてクールジャパン関連産業を基幹産業と位置付け、33年までにコンテンツ産業を20兆円規模へ、さらに戦略全体では50兆円規模へと拡大させるという方針が示された。高市総理がクールジャパン戦略担当大臣の時代に示された目標であることも注目される▼
既に24年のコンテンツ産業の市場規模は14兆円を突破しており、目標値達成も夢ではなくなってきた▼
クールジャパン戦略は、10年の内閣府知的財産戦略本部の提唱に始まるが、その分野は多岐にわたる。映画・音楽・漫画・アニメ・ドラマなどの狭義のコンテンツ産業はもとより、食文化やファッション、現代アートや建築などの現代のハイカルチャー、さらには武士道や日本料理・茶道・華道・日本舞踊などの日本の伝統文化に係るコンテンツなど実に多様である▼
これだけ裾野の広い分野であるだけに、分野間の連携はもとより、コンテンツを生み出すクリエーター人材とこれらを活かす活用人材、分野をまたぐコーディネーター人材の不足あるいはミスマッチの解消も大きな課題である▼
身近な文化観光分野で言えば、クリエーターや博物館・美術館などの学芸員・キュレーター人材と、観光や物産などの活用人材、観光まちづくりを担う人材との間に少なからずミスマッチが見られる▼
アニメなどをテーマにした拠点ミュージアムは多いが、これらを活かす仕組みや人材は必ずしもうまく機能しているとはいえない▼
その鍵を握るのが、異分野をつなぐ人材の創出であろう。クールジャパン戦略においては、目先の成果だけでなく、少し息の長い人材育成が不可欠といえる
(観光未来プランナー・丁野朗)