日本商工会議所は3月19日、第142回通常会員総会をハイブリッド形式で開催した。当日は、全国各地商工会議所から会頭・副会頭ら約1100人(オンライン含む)が出席。総会の冒頭にあいさつした日商の小林健会頭は、「先行き不透明感が増す時代において、成長型経済の実現に向けて、絶えず『変革』に挑み続け、新たな価値を共に生み出し、共に栄える『価値共創』を推進することがこれまで以上に重要」と指摘するとともに、官民一体となった国内投資の推進、取引適正化を通じた大企業との共存共栄など、「多様な主体の『共創』が今まさに強く求められている」と主張した。(関連記事2~7面に)
小林会頭はあいさつで、成長型経済の実現に向けた環境を整備するため、商工会議所が取り組むべき課題として「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力の強化」「地域経済循環の推進」などを提示した。
中小企業・小規模事業者の稼ぐ力の強化に向けては、価格転嫁の定着と中小企業の自己変革の必要性を指摘。「パートナーシップ構築宣言」を踏まえた価格転嫁の強力な推進や、生成AI・ロボットの活用による省力化・デジタル化、多様な人材が活躍できる職場づくりなどを通じた「少数精鋭成長モデル」への移行などが必要との考えを示した。
地域経済循環の推進については、国内への投資回帰や農林水産物の輸出拡大など、地域の将来を担う産業群が力強い動きを見せている中、「今こそ官民が連携し、地方へ投資と消費を呼び込むことで、盤石な経済基盤を構築すべき」と主張するとともに、観光の基幹産業化に向け、地域資源を生かした観光地域づくりによる地方誘客、周遊・長期滞在促進などの必要性を訴えた。
総会では、高市早苗内閣総理大臣がビデオメッセージであいさつしたほか、来賓として井野俊郎経済産業副大臣が出席した。高市首相は、物価高や複雑な国際環境など、わが国が直面する困難な課題に触れ、「日本列島を強く豊かにしていくため、力強い経済政策と外交・安全保障政策を推し進めていく」との方針を表明。特に、国内投資促進に向け、「事業者の予見可能性を高める大胆な措置を講じる」と述べ、危機管理投資や成長投資を柱とし、世界共通の課題解決に資する製品・サービス・インフラの開発を通じたわが国の成長につなげていく考えを示した。また、「力強い日本経済の実現には、力強い地域経済の構築が不可欠」との認識の下、地域未来戦略を推進し、地域特性に応じた産業振興やインフラ整備を一体的に進める方針を表明した。
中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」の強化に向けては、抜本的強化に取り組む方針を強調。賃上げについても、「事業者に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整備していく」と述べた。
井野副大臣は、中小企業を「地域経済のエンジン」と位置付け、大胆な投資促進税制などにより、引き続き意欲ある投資を後押ししていく方針を表明。労務費の適切な価格転嫁に向けては、「中小受託取引適正化法や受託中小企業振興法の着実な運用、取引Gメンの活用などを通じた取引適正化と経営基盤の強化に取り組む」と述べ、企業の収益力向上と持続的な賃上げに意欲を示した。
総会議事では、議案「中期行動計画(2026~28)(案)」「2026年度事業計画(案)」「同収支予算(案)」の審議を行い、異議なく承認された。
