政府は3月10日、第2回「日本成長戦略会議」(議長・高市早苗首相)を開催し、戦略17分野のうち集中的に支援すべき61の製品・技術を選定し、提示した。会議に出席した日本商工会議所の小林健会頭は、戦略17分野への重点投資について、「民間投資を喚起し、わが国の供給力および次世代産業競争力強化の起爆剤となり得る」と期待を表明。政府に対し、地域の産業特性を踏まえためりはりある対応を求めた。高市首相は、各分野の精査とロードマップ策定の加速を関係閣僚に要請。分野横断的課題の担当大臣に対しては、国内投資促進に向けた課題の整理と環境整備を指示した。
小林会頭は、地域の中堅・中小企業の投資意欲が高まる中、戦略17分野への重点投資に期待を表明。官民連携による投資効果の最大化と施策の実効性確保に向け、「地域における産業特性を踏まえ、時間軸や優先順位を意識しためりはりある政策の推進を図ることが有効だ」と述べた。特に、防衛産業については、「幅広い分野に関係し、デュアルユース(軍民両用)など、広く中小企業にも投資効果が波及するため、先行して実施すべき分野だ」との認識を示した。
地方への投資拡大に向けては、「『地域未来戦略』との連携の重要性を日本成長戦略に明確に位置付け、双方の計画を平仄(ひょうそく)の合う形で推進すべき」と主張。地域未来戦略における計画策定に際しては、商工会議所をはじめ地元産業界の声を十分に反映し、制度の利便性向上を図るよう求めた。また、観光分野については、「本来は17分野に入るべき」との考えを改めて強調するとともに、「外需獲得や地域活性化などをけん引する国家の基幹産業と位置付け、官民のあらゆる資源を総動員すべき」と主張した。
さらに、「戦略17分野および八つの分野横断的課題の取り組みを支える存在は、雇用の約7割(三大都市圏を除くと約9割)を担う中小企業である」と述べ、日本の成長戦略の担い手として、中小企業の重要性を明確に位置付けるよう強く要請。「各分野で中小企業が活躍できる環境が整えば、経済財政に与える効果は格段に高まり、『強い経済』実現の鍵になる」と強調した。
高市首相は、会議での議論を踏まえ、各成長戦略分野の担当大臣に対し、主要な製品・技術などのさらなる精査とともに、先行分野以外も含めたロードマップ策定を加速するよう要請。分野横断的な課題の担当大臣に対しては、「国内投資促進のため解消する必要がある課題」を洗い出して解決策を取りまとめ、民間企業の国内投資を全国に波及させる環境整備を進めるよう求めた。
