岩手県沿岸南部に位置する大船渡市は、岬と入り江が入り組むリアス海岸が続く水産業が盛んなまち。同市沿岸はあわびやウニなどの磯根資源に恵まれ、特にあわびは古くからの特産品だ。最盛期の1970年代には年間100t以上の生産量を誇ったが、80年代に入ると急減。その後、あわび資源の回復・増大を図る施設を整備するなど生産量増大に取り組んできたという。
こうした同市で国内でも数少ないあわびの陸上養殖を展開しているのが、元正榮 北日本水産だ。その規模は国内最大級といわれ、「捕るあわび」から「育てるあわび」のシステムを確立。持続可能な養殖技術で「三陸翡翠あわび」のブランド化を実現した。
ところが2025年2月に発生した大船渡市山林火災で同社工場の資材置き場や海水くみ上げポンプが焼失。さらに停電であわびの成育に不可欠な新鮮な海水の供給も停止した。それにより3年間かけて育てる三陸翡翠あわびの稚貝を含む約250万個の養殖あわびが全滅。
こうした状況に一時は廃業も頭をよぎったという同社取締役営業部長の古川翔太さんは「養殖あわびの販売再開には約3年かかる見込みです。ただ、“絶対に諦めない”と誓い、養殖事業再開に向けてクラウドファンディングに挑戦するとともに、翡翠あわびの貝殻を使ったアクセサリーなどの加工販売も行っています」と話し、全社員一丸となって復旧復興に取り組む。
お問い合わせ
元正榮 北日本水産株式会社
所在地 : 岩手県大船渡市三陸町綾里字石浜71-1
電話 : 0192-42-3056
