日本商工会議所はこのほど、2月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に付帯調査結果を「今月のトピックス」として発表した。2月の付帯調査では「法務対応に関する課題」「取引適正化に向けた課題」についてヒアリングした。調査対象は、全国323商工会議所の会員2435企業(有効回答数1954企業、回答率80・2%)。
法務人材が不足
法務担当者の設置状況、外部サービスの活用状況については、「担当者は設置せず、経営者が対応」(45・4%)が最も多く、次いで、「兼任の担当者を設置」(34・0%)が多かった。一方、「専任の担当者を設置」は7・1%にとどまり、多くの中小企業において、法務対応の人材が不足している現状が見てとれる。
人材不足の状況にある中、「顧問弁護士が対応」は23・9%となっているが、「外部のデジタルツールを活用」は5・1%にとどまっている。
法務対応に関する課題は、「法務対応に関するノウハウの不足」(55・6%)が最多。次いで、「法務対応ができる人材の不足」(41・7%)、「法務対応ができる人材の育成が困難」(35・0%)の順で多かった。多くの中小企業において、法務対応の人材が不足していることに加え、人材育成の困難さに直面していることがうかがえる。また、「法改正への情報収集、対応策の策定が困難」は32・2%だった。
労務費転嫁指針 現場への浸透課題
価格協議・価格交渉において「課題がある」と回答した企業の割合は43・5%。2024年8月の前回調査から大幅に増加した。
具体的な内容としては、「『労務費転嫁指針』 や『交渉様式』についての取引担当者の認識が不足している」(73・7%)が前回調査から増加した一方、「詳細な根拠資料の提出」(15・6%)、「発注者が協議や交渉の要請に応じない」(11・4%)は前回調査から減少した。価格転嫁の動きが広がっていく中で、交渉に応じる体制自体は整いつつあるものの、現場の担当者レベルまで「労務費転嫁指針」などが浸透していないことがうかがえる。
知財侵害行為 5社に1者経験
「知的財産の保護」に関する施策については、「知っているものはない」が35・5%と依然として最も高いものの、前回調査から7・3ポイント減少し、認知が広がってきていることがうかがえる。
知財侵害行為を受けたことがある割合は18・5%と、前回調査から6・6ポイント増加。約5社に1社が知財侵害を経験していることが分かった。
具体的な内容については、「従業員・役員や退職者に、自社の知的財産や営業秘密を無断で持ち出しされた」(43・3%)、「技術やノウハウを不用意に第三者に開示した結果、模倣品が製造・販売された」(21・0%)が上位を占めた。
