日本商工会議所はこのほど、5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に付帯調査結果を「今月のトピックス」として発表した。5月の付帯調査では「2025年度の採用実績」「取引適正化の動向」についてヒアリングした。調査対象は、全国323商工会議所の会員2426企業(有効回答数1926企業、回答率79.4%)。
建設業での 採用厳しく
2025年度の採用実績(全業種)について、「募集し、採用できた」が52.4%(前回調査から0.5ポイント減)となった。続いて、「募集したが全く採用できなかった」が8.7%(同0.3ポイント減)、「募集しなかった」が38.8%(同0.8ポイント増)となり、採用できた割合はほぼ横ばいで推移している。
業種別に見ると、建設業の「募集したが全く採用できなかった」が17.2%と、他業種と比べて極めて高い水準となった。 また、「募集し、採用できた」という企業のうち、「予定した人数を採用できた」と回答した割合は52.0%と約半数となった。業種別に見ると、建設業(40.9%)、サービス業(49.7%)、小売業(50.0%)で低い水準となり、特に建設業は厳しい採用環境に置かれていることがうかがえる。
ヒアリングした企業からは、「新卒正社員の中でも特に高卒の採用が厳しくなってきている」(電気工事業)、「採用ができず、人手不足が深刻になっており、技術承継にも不安が出てきている」(同)、「募集をかけてもなかなか応募が来ないため、知人からの紹介による採用を増やしている」(飲食料品小売業)、「高卒・大卒ともに新卒採用は厳しく、中途、非正規社員の採用で人材確保を進めている」(燃料小売業)といった声が上がった。
雇用形態別に見ると、非正規社員(57.3%)、正社員(中途)(54.7%)は半数を超えた一方、正社員(新卒)は45.4%と半数を下回り、特に新卒の正社員の採用が難しい状況が推察できる。
代金決定状況 4社に1社改善
中小受託取引適正化法(以下、取引適正化法)施行後の変化の状況として、「代金決定状況」で「改善した」のは25.2%、「支払い条件」で「改善した」は25.0%、「書面交付や金型保管などの取引条件など」で「改善した」は13.8%となった。具体的な改善の内容としては、「代金決定状況」では、「法順守の意識が高まった」が53.0%と最も多くなった。
「支払い条件など」では、「手形や電子記録債権などから現金払いに変更」が50.4%、「支払いサイトの短縮」が45.2%と続いた。「書面交付や金型保管などの取引条件など」では、「取引内容を明記した書面交付の徹底」が46.5%と約半数を占めた。
ヒアリングした企業からは、「コスト上昇分の価格改定がスムーズに行われるようになった。支払いも現金振り込みになり、振込手数料も差し引かれなくなった一方で、型の保管料の支払いはまだされていない」(鉄素形材製造業)、「取引適正化法の対象外である取引については、価格転嫁が難しい部分がある」(警備業)との声があり、改善傾向にあるものの依然として未解決課題が残されていることが分かる。
一方で、取引適正化法施行後の変化の状況を全体として見ると、「取引適正化法対象外などのため、変化はない」と回答した企業の割合が比較的大きく、今後取引適正化法対象外の取引についても適正化に向けた取り組みが求められる。
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