日本商工会議所はこのほど、8月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果と共に付帯調査結果を「今月のトピックス」として発表した。8月の付帯調査では「生成AIの活用状況」についてヒアリングした。調査対象は、全国321商工会議所の会員2396企業(有効回答数1920企業、回答率80.1%)
生成AI 54%が活用
生成AIの活用状況について、「全社的に活用」(11.5%)、「特定部門で活用」(23.4%)、「希望者のみ活用」(19.5%)を合わせて「活用している」が54.4%と、半数を超える割合となった。2025年11月の前回調査から18.4ポイント増加と大幅に「活用している」の割合が上昇した。また、「現状では活用していないが、今後活用を検討」は24.7%となり、「活用している」と合わせて8割近い企業が生成AIの活用に前向きとなっている。
生成AIを活用(活用を検討)している業務では、「文書作成・要約」が81.7%と最も多くなった。次いで、「情報収集・アイデア出し」(57.1%)、「デザイン・画像生成」(39.6%)となった。
「文書作成・要約」といった生成AIが得意とする定型業務分野での活用が定着しているとともに、「デザイン・画像生成」の割合が増加、「データ集計・分析」も3割を超えるなど、さまざまな分野で生成AIの活用が進んでいることがうかがえる。
ヒアリングした企業からは、「あらゆる業務に効果的なツールであり、使いこなせないことは機会損失とも言えるため、自社に合わせた活用方法を引き続き検討していく」(織物外衣製造業)、「知識豊富な社員しか対応できなかった業務がAIに置き換わり、属人化を解消するきっかけとなった」(飲食料品卸売業)、「生成AIを使って写真から動画を作成、SNSなどに掲載し、自社のPRを行っている」(運送業)などの声が寄せられた。
社内ルール 整備進まず
生成AI活用による効果は、「業務時間の削減・作業効率化」が66.3%と最も多くなった。生成AIが得意とする定型業務分野での活用が進んでいることで、業務時間の削減・作業効率化といった部分で効果を感じていることがうかがえる。
生成AIの利用に関する社内ルール・ガイドラインの整備状況について、「社内ルール・ガイドラインを今後策定・運用したいが、何を参考にしたらよいか分からない」が34.9%と最も多く、「社内ルール・ガイドラインを策定する予定はない、必要性を感じない」(18.3%)と合わせて53.2%と半数超が社内ルール・ガイドラインを整備できていない。中小企業が参考にしやすいよう実態に即した平易な利用基準の提示などの支援策が求められている。
生成AI活用に当たっての課題は、「活用できる業務の洗い出し、活用方法の検討」が53.3%と最も多く、次いで「生成AIの活用に向けた社員教育、社内ルールの制定」(40.5%)、「生成AIの活用を主導・推進する人材の育成・確保」(39.0%)となった。
生成AIを活用できる業務の洗い出しに加え、社員教育や社内ルールの制定、活用を主導する人材育成などによる利用環境の整備が課題となっていることがうかがえる。
