京都商工会議所は3月の移転を前に、2018年12月12~15日の4日間、同所(京商ビル)で同ビルの閉館記念イベントを開催した。期間中は、「京商ビル探訪ツアー」と題して建物内を一般公開。京都の近代化の歴史とその中心を担ってきた同所136年の軌跡を振り返るパネル展示や記念講演、「京商チャリティー掘り出し市」も行われ、会員、市民ら約1500人が訪れて名残を惜しんだ。
京商ビルは1964年に完成した同所の3代目の建物。1階ロビーの床に描かれた十二支のモザイク画や先代のビルから移築された大理石の暖炉・石柱、京都の伝統産業の粋を集めた什器や内装など見どころが多い。期間中は、歴代会頭が執務を行った会頭室や特別応接室など普段非公開の部屋を開放し、記念撮影コーナーも設置。訪れた一般客らは「伝統を感じさせる」と感嘆の声を漏らしていた。
パネル展示「明治150年京商のキセキ展」では、1882年の同所創立から現在に至るまでの歴史を中心に、京都経済の主要な出来事との関わりを枚のパネルで紹介。また、京商ビル建築当時の資料や歴代会頭についてもパネルで展示した。
最終日の15日には、「明治維新と京都」をテーマに歴史研究家で多摩大学客員教授の河合敦氏を招いて記念講演会を開催。また、同所の事務用品や記念品など200点以上を特別価格で販売する京商チャリティー掘り出し市を実施し、売上金を京都新聞社会福祉事業団の「歳末ふれあい募金」に寄託した。
京商ビルは3月1日に閉館し、同所は同月5日から京都市下京区四条室町に新たにオープンする京都経済センターで、業務を開始する。
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