日本商工会議所は2月20日、要望書「東日本大震災からの確実な復興・創生に向けた要望〜復興庁による支援継続と自立した地域経済の再生に向けて〜」を取りまとめ、政府など関係各方面に提出した。同要望書では、10年と定められている復興・創生期間が残り1年余りとなる中、期間内の目標完遂とともに、その後の復興庁を基軸とした支援体制に関する十分な予算措置とその継続などを求めている。
3月9日には、日商の三村明夫会頭、東北六県商工会議所連合会の鎌田宏会長(仙台・会頭)、東日本大震災沿岸部被災地区商工会議所連絡会の花坂康太郎代表(宮古・会頭)と高橋隆助前代表(原町・会頭)が復興庁に田中和徳大臣を訪ね、要望書を手交した。三村会頭は、「被災地の声を要望に取りまとめたので、ぜひ実現をお願いしたい」と述べた。田中大臣は、「いただいた要望書は、現地の生の声が反映された大変重要なものであり、しっかりと受け止めたい」とコメントした。
同要望書では、復興庁による支援のほか、福島における原発事故問題について、終息に向けた国の主体的関与や原子力損害の着実な賠償履行を要望している。いまだに根強く残る風評については、販路の回復などに資する科学的根拠に基づく安全性に関する正しい情報発信や海外の輸入規制撤廃に向けた働き掛けの強化を求めている。さらに観光においては、震災学習などの教育旅行をはじめとする復興ツーリズム促進などを通じた交流人口の拡大を要望している。
また、「二重債務問題」や「水産資源不足」などの被災地の新たな課題に対しては、被災地企業に対する資金繰りや債務負担軽減に向けた支援の継続を求めている。
最後に、被災地域の経済復興・再生に弾みをつけ、東北を、そして日本を科学技術の一大集積地として発展させるべく、イノベーション・コースト構想の実現や国際リニアコライダーの誘致など、最先端技術・新産業の創出・育成などへの支援を求めている。
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