全国のYEGでは、地域の特性に応じたさまざまな特徴ある事業に取り組んでいる。今回は、山陽YEG(山口県)が3月11日に開催した、全国初のオートレース場(※)でのリレーマラソン「2018 寝太郎リレーマラソン in山陽オートレース場」を紹介しながら、山陽YEGの取り組みや今後の展望を追う。
地域資源を生かす
山陽小野田市は、全国で5場しかないオートレース競技場“山陽オートレース場”を有する町の一つである。このオートレース場という希少な施設を生かし、普段はオートレーサーがバイクで走行する場所で、ランナーにオートレーサーと同じ目線でコースを楽しんでもらい、オートレース場でしか味わうことのできない体験を仲間と共有して、チームの絆を深めてほしいと考えた。全国初のオートレース場でのリレーマラソン42・195㎞を企画し、そして山陽小野田市で語り継がれる民話の一つで、市のマスコット・キャラクターにもなった“寝太郎”を、愛着感と親しみやすさ、大会の柔らかさを感じさせるために「寝太郎リレーマラソン」と命名した。
また、スポーツを通じて、市内外の人たちに地元の地域資源である山陽オートレース場をアピールし、地域の活性化をはかる事業を行いたいと考えたのもきっかけの一つである。この施設は、パラリンピックの自転車競技の活動拠点や、食フェスなどの大規模イベントで幅広く活用されている。山陽YEGは、こうした地域の特色や資源を生かした魅力ある町づくりを目指して、日々活動を行っている。
チーム防府YEGで、寝太郎リレーマラソンに参加したきっかけを防府YEG17年度 会長 土井康徳氏に聞いた。
「防府YEG主催で『幸せますマラソン』という大会を開催したのですが、その時に山口県の各YEGから多くのボランティアスタッフに手伝ってもらいました。山口県連には、他の単会の主催する事業であっても、県内のYEGとして互いに応援し合いたい、という気運があると思います。今年は防府でブロック大会を開催することもあり、エールを込めて参加させていただきました」
山陽YEGの主要メンバーの言葉
17年度 寝太郎リレーマラソン実行委員会 委員長 濱崎健太郎氏に大会について伺った。
「目標の参加チーム数は、150チーム約1000人だったのですが、この会場の風景をみて、すごい人数がいるなと思いました。私個人としては満足のいく結果かなと思っております。子どもたちの参加は、企画当初は全体の1割くらいを考えていましたが、全体の約2割の150人弱の子どもたちが参加してくれました。子どもたちにとっては、足を運ぶことがあまりない、このオートレース場というものの魅力を感じてもらえたのも良かったと思います」
17年度 単会会長 真利憲太朗氏に新規事業のモチベーションを教えてもらった。
「私はYEGの活動歴が長く、今年で20年目を迎えます。その中で、いろんなYEGの活動を見て刺激を受けて、人数の少ない山陽YEGでも、何かできないかと考えました。そして16年度に全国のYEGメンバーを対象にした『全国ゴルフ大会』を企画、開催しました。この大会を何とか形にできたことで勢いが付き、各委員会にも新規事業を考えてほしいとお願いしました。自治体でも、地域の活動ということで私たちの活動をすごく援助してくれました。ゴルフ大会の懇親会、そして寝太郎リレーマラソン、食フェス、これらすべてを山陽オートレース場で開催できたことで、町の大きい宝を発掘できたと自負しております」
18年度 山陽YEG会長 川口司氏に今年度の抱負を聞いた。
「今年度は、継続事業をより良いものにすることに力を注いでいくため、夢花火、食フェス、このリレーマラソンを主とした大きいイベントを継続開催します。さらに、地元のお祭りが年に3~4回あるので、そちらも充実したものにします」
今年度も、山陽オートレース場で食フェスとリレーマラソンを開催予定である。オートレースに興味がある方も足を運んで山陽オートレース場の魅力をぜひ味わっていただきたい。
今後の開催予定
夢花火:10月27日
ぶちうまフェスタ:3月24日
寝太郎リレーマラソン:12月開催予定
詳細は山陽YEGホームページで確認http://www.sanyo-yeg.net/
(※1)オートレースとは、日本におけるモータースポーツで、1周500mの走路を通常8車(バイク)が6周回して順位を競い合う。公営競技(競馬・競輪・ボートレース・オートレース)最速のスピードを誇る。山陽オートレース場は、1965(昭和40)年4月に開設された。
寝太郎リレーマラソン42.195㎞の大会概要
■ 参加資格
独力で1周1.5㎞を完走できる男女
■ 参加人数
(今回実績)78チーム614人
■ 競技方法
1チーム4人以上10人以内。1周1.5㎞のコース計28周プラス195mをチームでタスキリレーして完走する。走る順番や何周走るかは各自の自由。
■ 大会ルール
・レースはタスキのリレーによって進む。
・1人が1周以上走って次の走者にリレーする。
・1人で続けて何周走っても構わない。
・休んだ後で再びタスキを受け取ることもできる。
・タスキの受け渡しは決められたリレーゾーンのみで行う。
・コースの途中で交替することはできない。
■ 競技時間
競技の制限時間はスタートから4時間。制限時間内でゴールしたチームが正式な完走と認められる。
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