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コラム石垣 2018年11月11日号 中山文麿

11月6日に米国の中間選挙が行われ、下院は民主党が勝利し、上院は共和党が多数派を維持した。共和党はトランプ大統領を前面に出してトランプ党として戦い、民主党はトランプ氏の政策や行動を批判して反トランプとして戦った。

▼今回の選挙でトランプ氏は良識ある人が嫌悪する排他的移民政策、ロシア疑惑、脱税疑惑や多くの暴露本にもかかわらず、一定の米国民の支持を得た。

▼一般に、政治家はポリティカル・コレクトネス(人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別の考えを出さない)に徹し、ノーブレス・オブリージ(高貴な人は高貴な振る舞いをする)のように演じる。トランプ氏にはこれがない。

▼トランプ氏は一般白人労働者に分かりやすい言葉で、彼らの琴線に触れる本音を語ってきた。また、大統領選挙で約束した公約をきちんと守ってきたことなどによって、キリスト教福音派を中心とした保守層の岩盤支持を得た。

▼今回の選挙で下院は民主党が勝利したことにより、これからトランプ大統領は自分の政策を実行することが難しくなる。そのため、彼は議会の承認を要しない大統領令を頻発しそうだ。

▼ただ、貿易政策における自国第一主義の保護貿易政策は民主党の基盤である労働組合の主張とも重なり、今後とも大きく変わることはない。また、米連邦最高裁の新判事の任命においてセクハラ疑惑のあった、保守派のブレッド・カバノー氏が承認された。その直後の世論調査で共和党の支持率が一時上昇した。このことは米国の社会が想像以上に保守化していることを物語っている。

▼この保護貿易や保守化の流れは大きく変わることなく今後の米国の政治・経済・社会を律するものとなろう。

(中山文麿・政治経済社会研究所代表)

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