先月は今年の景気動向をテーマに、「時流」について私の見方を紹介しましたが、今月はその奥底にある真相について考えてみたいと思います。
私は日本の大新聞や報道番組などマスコミに出ている情報には真相は出ていないと思っています。報道内容は事実かもしれませんが、その裏側にある真相についてはどのマスコミも語りません。新聞社によっては明らかにアメリカ寄りの組織もありますし、政治的配慮から表面化しない場合もあるのでしょう。ですから、事の真相は自分で情報を収集して分析するしかありません。
会社を考えると分かると思いますが、会社の正義はその会社にとってプラスになることで、同業他社が倒産しても自分の会社だけは生き残っていけるように、策を練るのがトップの仕事です。これと同じく、国の正義はそれぞれの国の国益にあります。日本という国の国益のために為替や株価をどうコントロールするかを政府は一生懸命やっているのです。アメリカは世界のお金をどうやって集めるかに策を弄し、中国は覇権を握って地下資源を確保したいとの思いから、現在、近隣諸国と問題が起きています。そのことを知った上で各国の出方を見ると、これまで見えなかったものが見えてくるのです。
オリンピックが決まって日本人は浮かれて喜びましたが、日本人以外に喜んだのはオバマ米大統領でしょう。TPPや秘密保護法案への反対の声は薄れてしまいました。アメリカは自国の負担軽減と軍事産業育成のために沖縄への予算を削減し、日本独自の防衛力を増強させたいと考えています。
一方、中国では国民の貧富の差に因を発した不満から目をそらさせるために、近隣との緊張状態を高め、反日感情を煽りたい思いがあります。沖縄県の尖閣諸島上空を含む東シナ海に突然中国が設定した「防空識別圏」もそのための行動です。またこの時期に、安倍首相が靖国神社に参拝すれば近隣諸国との緊張が極度に高まることは、分かりきったことですが、それによって日本の国防費増加の正当性も高まるわけですから、政治的行動として行ったわけでしょう。実際日本は2014年度予算で、離島部や領海の警戒態勢強化のためアメリカ製の新型戦闘機F35購入に638億円を充てています。
世界を動かしているのは、目に見えているものとは別の各国の深層にある事情が絡み合った結果によるもの。〝真相は深層にあり〟というわけです。
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