世界経済の覇権は、これまで、55〜70年間で別の地域に移っています。アメリカが世界の経済覇権を握ってからおよそ70年。歴史は繰り返すことを考えると、「私はこの数年間で大きな変化があるのでは!?」と考えています。
どう変わるかというと、中国に経済覇権が移行すると考えた方が良さそうです。ヨーロッパにはギリシャのデフォルトの危機だけでなく、ポルトガル、スペイン、イタリアも経済的に困窮する可能性があります。景気が良いことを喧(けん)伝し、失業率を5%と発表しているアメリカですが、実際には13%とも言われています。さまざまな手段を講じ、当面は維持するでしょうが、それにも限界が来ると思います。今、経済覇権を握る力を欧米は有していないのです。
一方、中国の経済的成長は鈍ったとはいえ、まだ続くでしょう。ただ、急激な社会変化に伴って、大きな貧富の差が生まれていますから、常に暴動の懸念がつきまといます。「革命は名もなく貧しき若者の手から始まる」(毛沢東)との言葉の通り、中国は革命が身近な国です。志のある若者たちがネットで連携し、いつ革命が起こるともしれない状況です。
足元の日本を見ると、非正規社員が40%を超えて収入が二極化しています。この実態にアベノミクスの難しさを感じざるを得ません。ただ、2020年までは国内の景気は保たれる、これは日本経済の光明です。
世界経済がソフトランディングできればいいのですが、そうならなかった場合、いつ外国からの余波が来てもおかしくありません。たくさん刷ったお金のツケで、アメリカも日本もハイパーインフレにならないとも限らないのです。
さて、大きな変化が起きたとき、どういう会社が潰れてどういう会社が残るのかというと、借金の無い会社は生き残り、借金のある会社は潰れてしまうのです。ですから、堅実に無借金でやっている会社は残り、借金しながらイケイケで大きく伸ばしている会社は潰れるリスクが高いのです。手持ちの資金で不動産を調達するのはいいですが、大きな借金はしてはいけない時期です。
ダーウィンの進化論と同じで、時流が大きく変化したとき、生き残るのは大きい種でも強い種でもなく、時流に適応した種です。実際、氷河期が来て極端に食料が減ったとき、巨大な体で闊歩(かっぽ)していたマンモスはたくさんのエサを得ることができずに滅亡してしまいました。その一方で、天敵に食べられることを怖れてコソコソしてきたモグラやゴキブリは生き延びています。
時流に適応し存続するための、舵(かじ)取りと体質改善。これこそトップの仕事です。
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担当:髙橋
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